呼吸する家

今日の投稿にもあるように、風通しがよく、自然換気が行われている古い日本家屋は、湿気がこもりにくく、長持ちする家と言えます。
人が呼吸するように、建物も湿度が高くなった時に湿気を吸い、湿度が低くなった時に呼（は）いてくれるならば、快適な生活が送れるでしょう。最近、少なくなった和室の塗り壁や、話題の炭や珪藻土も、目には見えない無数の孔が、湿気を吸ったり呼いたりしてくれます。

外との温度差を少なくし、壁体内結露を防ぐために高断熱にする。すきま風をなくし、高気密な家にしたために、（家一軒丸ごとの）換気システムを導入する。理屈ではわかっていても、便利になればなるほど、一体どこまで……？　と、人間の体にとって、本当にいいんだろうか？　と、思うことがあります。

仕事仲間と話すこと。子どもの頃、寒い冬、布団の中にもぐりこむことがあったよね。今は、コンクリートの建物で、床暖房の暖かい家で、布団から腕を出して寝ている……。
エアコンのリモコンを押しながらも、「本当の豊かさって、何だろう……」と考えることがあります。