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先日、東京医科大学のある医師に関して、外部調査委員会が「未熟」との結論を出しました。この医師が手術した心臓弁膜症の患者20人のうち3人が亡くなったそうです。これは全国の平均よりはるかに高い死亡率だといいます。新聞報道によると亡くなった患者の遺族は、「大きい病院なので間違いないだろう。先生にまかせて大丈夫だろうと思っていた」と語っています。病院側は医師にトレーニングを積ませるつもりだったのかもしれませんが、もしそうであれば経験豊かな医師をつけるとか、それなりの準備をしてもらわないと患者はたまったものではありません。
風邪を引いたというような病気ではなく、それなりに深刻な病気にかかったとき、私たちはどうやって病院を選ぶのでしょうか。口コミで情報を集めたり、評判をネットなどで調べたり、あるいは専門医の数や術例の数などを調べたりすることはできます。でもたいていの場合、医師を選んだりはできません。なぜならそうすることで、他の医師を敵に回すことを恐れるからです。今でもセカンドオピニオンなどと言い出すと、とたんに機嫌の悪くなる医者がいるそうです。病院を移るというようなこともなかなかしにくいのが現実です。
しかし、医師にとってはたくさんの患者であっても、患者にとってはたった一回のチャンスかもしれません。医師にとってはリスクという数字でしかなくても、患者にとってはそれこそ「生死」をわける手術です。そこをわかってくれる医師がどれぐらいいるでしょうか。皆さんは、自分や家族が大病をしたときに、病院や医師の情報を集めて入院する病院を決めましたか。あるいはもしそういう場面になったら、情報を集めて入院先を決めようと思いますか。