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Darcy Neillさん
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コミットメントとは、「どんなことがあっても絶対にやり遂げる」という強い意志
- 佐々木
最後にコミットメントのことを話したいと思うのです。質の高い仕事についてです。少し前に電話で仕事の打ち合わせをしたとき、ダーシーが、「私とあなたのコミットメントレベルが同じなので、イエスと応えたら、その意味が互いにわかる」というようなことをおっしゃいました。
- ニール
コミットメントとは、「どんなことがあっても絶対にやり遂げる」という強い意志を表わす言葉です。
たとえば、「体重を落とすことにコミットしている」という使い方は間違いで、「やせるためのダイエットを始める」ということにコミットしている、というのが正しいでしょう。つまり、本当に体重を落とすことにコミットしていたら、既に体重が落ちていて、今からダイエットをする必要がないからです。
これは、どこの国でも同じです。ヨルダンの小さな村でも同じです。コミットメントというのは、なにがあっても、一度決めたことはやり遂げる、実現させるという強い意思表示です。それは、無意識のレベルと、意識のレベルと、両方においてなのです。それを続けることで、体にしみこんでいき、習慣になるのです。だから、わたしは、自分と同じコミットメントレベルの人と働くのが好きです。
こうした考え方の強い私には、小さな企業、起業家たちとの仕事があっているのかと思います。同じようなコミットメントレベルであることが多いからです。大企業でももちろん、同じコミットメントレベルの人たちとの仕事は、上手くいきます。それが、全員の行動を高め成果を挙げていくからです。
- 佐々木
わかります。目的に向かって、目標に向かって、何が起きようとも、必ず道を探し出し、工夫を重ねて、到達するという強い意思が、私もあると思います。
- ニール
それが、自分自身に意識を向ける、ということになるのです。エゴではなく、自分の一票を数えて欲しい。つまり、自分がする、すべての仕事に、自分の名前を出してもらって大丈夫という意識の向けかたです。それが、自分のモチベーションを高める方法でもあります。
子どもの頃、父とだったかと思いますが、尊敬、という概念について話をしたことがあります。ゴミ収集をしている人と銀行員という仕事を比べると、一般的には、銀行員を尊敬するというかもしれない。が、それは違う。皆を思い、ゴミを集めてくれている人と、いい加減な仕事をしている銀行員がいたとすれば、ごみ収集員を、尊敬する。
どんなことをしているかは、関係ない。その人の仕事の仕方、取り組み方で評価が決まるのだということなのです。文化によっては、サポート業務の人たちへの評価が低いことがあります。でも、それは違います。職人の技や技術が、近代化の波のなかで、正当に評価されなくなった社会をいくつも見て来ました。そのために大工や伝統工芸などの技の継承者がいなくなっているのです。発展途上国で、皆が技術者や医者に憧れ、配管工になろうとはしないからです。でも配管工という仕事も、私たちの生活の維持のためには、医者と同じように大切な仕事です。人によっては、配管工が天職であるひとだっているはずです。
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