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根本かおるさん
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国連に入ったのは、結婚後
- 佐々木
ご結婚されているんですよね?
- 根本
しています。
- 佐々木
お子さんはいらっしゃるんですか?
- 根本
子どもはおりません。結婚したのは'91年なんですけれども、国連に入ったのは結婚後ですね。
- 佐々木
すると海外のときに、ご主人は日本にいらっしゃって?
- 根本
そこは、本当にバッサリ分けていて。夫は非常にドメスティックな人ですから。日本で好きな仕事に就いているので、そこは分けて、私が糸の切れた凧のような形で海外を飛び回って(笑)。夫は私のことを「究極の経験主義者」と呼んでいます。
- 佐々木
いいですね。そうですか。でも、危険な仕事だから、ご両親も、ご家族も含めて、心配されるでしょうね。
- 根本
そうですね。ただ、今は随分通信事情が良くなったので。もちろん心配でしょうけど、今は日本にいますし、ネパールにいたときも、かなりの頻度で連絡が取れましたから、よかったですね。やっぱり、ブルンジにいたときが一番辛かったでしょうかね。というのは、電話が通じない。それからe-mailも事務所の代表のメルアドがあるだけで、個人アドレスがない。連絡が取れるのはイリジウム衛星電話だけだったんですね(笑)。
私の場合は家族に割り切りがあったおかげで、さまざまな任地に赴くことができましたが、子どもがいるような、普通の家族生活を前提にしているUNHCRの同僚は大変ですよ。正職員の場合、数年に1回はローテーションの義務があって、単身赴任地域が非常に多いですから。家族生活を優先せざるを得ず、家族で赴任できる任地にしか応募しないのでなかなかポストが決まらないという職員もいたり。
女性の仲間では、「結婚するなら、どんな僻地にも適応できるフリーのジャーナリストやカメラマン、あとどこの難民キャンプでもニーズのあるエンジニアに限る」なんて言ってます。
国連の人事は、日本の企業のように「次はここ」と人事部が決めてくれるようなシステムではないんですね。原則として、空席情報が発表されて、それに自ら応募して、選考がある。そうした選抜をUNHCRの場合は数年に一度の頻度で繰り返していかなければならないので、なかなか大変ですよ。精神的にもね。契約形態もさまざまで、中には数カ月単位の契約の人もいます。
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