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根本かおるさん
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月1,000円から、支えていただくというようなプログラムも
- 根本
女性の起業家、経営者の方々の中で、難民キャンプにまで行かれた方っていうのは、いないんじゃないですか? 日本で。
- 佐々木
いないかもしれませんね。
- 根本
いないですよ。難民問題って、すごく遠いことだと思われがちなんです。でも、身近に考えていただくきっかけって、いろいろあるんです。
難民にまつわる映画や難民・元難民の監督が作った映画を集めた難民映画祭というイベントがあります。世界初、世界で唯一の難民映画祭を、UNHCR駐日事務所と日本UNHCR協会の共催で開催しています。去年(2006年)が第1回で、今年(2007年)は7月18〜26日に第2回を開催しました。
来年(2008年)も、第3回の難民映画祭を開催することにしています。協賛企業には、社員向けの特別上映会をレクチャーとあわせて開催しています。
やっぱり映像、映画が持つ訴求力ってすごいですよ。あと、難民キャンプの生活を疑似体験できるイベントもあります。10月24日は「国連デー」なんですが、10月24日に東京・渋谷区の国連大学ビルに来てくだされば、難民キャンプで実際に使用されているテントの中で、さまざまな体験をしていただけます。
- 佐々木
確か、私たち個人ができることもありましたよね?
- 根本
はい。「毎月倶楽部」っていう継続的な寄附プログラムがあります。コーヒー2杯分の1,000円から、月々、支えていただくというようなプログラムで、ぜひ、そういったことに加わっていただきたいと思うんですね。
- 佐々木
根源は、結局、本当は教育とかをやっていくと、実は全体が変わるのにもかかわらず、いつも最後のところで蓋を閉めなきゃいけないから、なかなか終わらないっていう意味では、教育、重要ですよね。
- 根本
教育も、初等教育は何が何でもやろう、と。でも、中等・高等教育は必須の活動ではないんです。「中学校を出た後、難民の若者たちは、どう希望をもって生きていけばいいの? ふるさとに帰るまで、どうスキルアップすればいいの?」と分かっていても、今の状態では手が回らない。
そういったこともありまして、UNHCRの中長期的な活動を継続的に支えていただくような、「毎月倶楽部」に、もっと日本の方にも加わっていただきたいな、と思います。日本のみならず、世界各国で毎月倶楽部への加入を呼びかけています。
- 佐々木
今、毎月倶楽部のメンバーは日本に何人いるんですか?
- 根本
1,400人ですね。
- 佐々木
それはもう、大きくしなきゃダメですね。私は、プランジャパンで、フォスターペアレントを'85年くらいから続けているんですけどね(笑)。
- 根本
すごい。筋金入りですね。
- 佐々木
そうですよ。私の番号が2,300番代なんですけど、今は3万人を超えたんですよ、日本で。だから、UNHCRも、もっともっと、参加者増やしましょう。今日は、本当に貴重なお話を聞かせてくださって、ありがとうございました。話は尽きないです。これからも頻繁に、どうぞ、教えてください。ありがとうございました。
対談を終えて
久しぶりにお会いした根本さんは、今まで以上に、イキイキとしていました。そして、組織のリーダーとしての秩序と、責任感のある顔つきでした。大きな仕事をしている、という緊張感のある、そんな風を吹かしていました。私は、多分、日本で数少ない、「難民キャンプに寝泊りしたことのある経営者」ということで、彼女の話が、少しは映像化できました。どんなに大切な仕事なのか。終わりがないのかも、感じました。…… 何かご一緒したい。難民のために、女性たちのために。終わりない対談の後、そう思いました。これを機会に、イー・ウーマンでも、何か考えることができたらと思います。今後とも、たくさん、世界のこと、教えてほしいと思いました。
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