ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第106回 根本かおるさん

106 |
根本かおるさん
|
|
|
緒方貞子さんという難民高等弁務官を一人輩出して
- 佐々木
誰か、大金持ちの女性、いないかな(笑)。考えよう。
- 根本
日本は緒方貞子さんという難民高等弁務官を輩出しました。UNHCRの歴史で唯一人の女性の難民高等弁務官を輩出した日本から、やっぱり、女性の代表にこういった場にどんどん参画していただいて、積極的に意見を言っていただきたい。UNHCRの本部としても日本人の参加が非常に重要だと考えています。
緒方さんも、難民高等弁務官在任中、特にボスニアやルワンダの復興のプロセスで、共同体がバラバラになってしまっているのをもう一度連帯感で結ぼうと、女性を後押しするプロジェクトを推進したんです。
紛争のあとの社会で、女性こそが「共生」の価値を家庭を通して伝えていくんだと。家庭の中心に女性がいるということは、社会のコミュニティーの中心に女性がいることになるし、それに、女性は配給食糧を自分は多少食べなくても子どもにまわしたりするように、同じ出資をするなら女性に出したほうが社会に与える効果はより高く確実だ。
そうした確信が、ボスニアでは、セルビア系とクロアチア系の女性たちが一緒にパン屋を開くというプロジェクトを生み、パン焼きの研修や店の運営が異なる民族間の対話の場となりました。
ルワンダでは、故郷に帰った人々のうち、特に女性や弱い立場に置かれた人々を対象に、少額の所得を得るためのプロジェクトや職業訓練などが実施されて、女性のエンパワーメントやコミュニティー内の話し合いを促進しました。
緒方さんは、アフガニスタンでも、タリバーン政権時代、女子と女性が教育を受ける権利が否定されていることや女性の就労が厳しく制限されている問題について、タリバーンと難しい交渉にあたりました。
タリバーン政権崩壊後、緒方さんはアフガニスタン支援日本政府代表としてアフガニスタンの復興に尽力し、「緒方イニシアチブ」を立ち上げましたが、ここでも女子教育の推進と女性の権利の向上が柱の1つだったんですよ。
WLLには寄附文化の進んだ欧米からは、どんどん女性たちが関っていくと思いますが、やっぱり日本人女性にも参画して日本の視点を反映していただきたいなと思います。佐々木さん、よろしくお願いします(笑)。
- 佐々木
人探し、協力します。
- 根本
ありがとうございます。
27/28
|
 |
|
|