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根本かおるさん
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「お疲れさん休み」っていうのがもらえるんです
- 佐々木
両方持っていなきゃいけないってことですよね。でも、現地でオン・オフっていったって、ラグジュアリーの洋服を着て、どこかに行く所もないですしね。どんなふうに?
- 根本
国連機関はどこもそうだと思うんですけど、先程申し上げたような、辛い生活条件、仕事条件の所だと、ある程度仕事をするたびに「お疲れさん休み」っていうのがもらえるんです。
精神衛生、ストレス・健康管理のために、私が勤務した多くの場所では、8週間仕事をするたびに1週間、お疲れさん休みをもらえました。と言うか、休みをとることを義務付けられているんです。人を助けるどころか、虐待しかねないぐらいにストレスがたまりますから、きちんとプロフェッショナルに難民に接するためには必要なことです。そのときは、生活条件のいい場所まで出られるんですよ。
- 佐々木
海外に出られるってことですか?
- 根本
場所によりますね。ブルンジのときは、ケニア、ナイロビまで行けたんです。そうすると、ある程度の……。
- 佐々木
ホテルに泊まって、食事もできて。
- 根本
ネパールのへき地で働いていたときは、カトマンズ、あるいは、もうちょっと頑張ればバンコクまで行けるとか。
- 佐々木
そうか。でも、8週間で1週間は休まなければならないぐらい、ストレスフルな仕事であるとも言えるということですよね?
- 根本
そうですね。8週間のサイクルの最後の方になると、みんな、カリカリしていますよね。で、「you need a break」っていう感じになるんですけれども(笑)。
あと、気持ちを落ち着かせることのできる、お気に入りのグッズやアイテムは人道援助要員の生活には必須ですね。私の場合は落語。寝るときは必ず落語のCDを掛けていました。落語のゆるーい世界に浸ると、高ぶっている神経が解きほぐされます。
- 佐々木
分かるな。私なんかは、せいぜい2〜3週間の取材だったけれども。根本さんは、今、何語を話されるんですか? ドイツ語、フランス語、英語……。
- 根本
そうですね。フランス語は、本当にまだまだで、だいぶ忘れてしまいましたけれども、国連の中では、2つ公用語をしゃべれないと、というのがあって、勉強しています(笑)。
フランス語は、きちんとできもしないのに、「ブルンジに行けば、何とかなるさ」的な気持ちで応募したら、余程志願者が少なかったのか、そのポストに決まって、現地で覚えた節があるんですね。ですから、私のフランス語はブルンジ訛り、アフリカンアクセントですね。アフリカの人たちとフランス語で話していると、とても心が休まります(笑)。
- 佐々木
(笑)
- 根本
逆に、フランス人とか、本家本元の方々としゃべっていると、何か、分からないなっていう感じで、くじけます。
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