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杉山ちなみさん
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「姿勢とパフォーマンス」
- 佐々木
姿勢? 姿勢を勉強する博士課程があるわけですか?
- 杉山
バイオメカニクスなんです。オリンピックに行って、すごくショックだったのが、日本人の姿勢の悪さ。
- 佐々木
私、今日聞いていて思うんだけど、ぜひ、イー・ウーマン専属で、何かやってくださいよ。日本の女性って、きれいにもなってきているし、世界的にもすごく活躍しているんですが、でも姿勢が悪いし、全体としては美しさが足りない。私はここ10〜20年、ずっと、女性達を集めて、いろいろとセミナーもやってきているんですけど、海外からゲストが来るたびに言われるのは、「かをりさんの周りには、すごい人が集まっているね。日本もすごいね。前に立って、皆の話を聞いていると、目も輝いているし、質問もいい。でも後ろや横から見たら、ただの人にみえる。服装の選び方も、立ち方ももっと磨ける」って。
- 杉山
それは、まさしくそうで、私、今後、論文を書こうと思っているのが、「姿勢とパフォーマンス」っていうことなんです。
外国人選手と比較すると、日本人選手の姿勢の悪さがパフォーマンスに影響しているんじゃないかって。シンクロの選手は1日10時間とか練習しているので別かもしれないんですけど、たとえば、普通の運動選手って、練習をするといっても1日に2〜5時間くらいじゃないですか。でも、1日は24時間あって、3時間運動しているとしても、それ以外の時間はどういう姿勢でいるの? って言ったら、たぶん、背中丸めてパソコンを打ったりとか、椅子にもたれて漫画の本を読んだりとかしているじゃないですか。結局、日常生活の中で、いい姿勢でいる時間って少ないじゃないですか。だから、それでもう、体って決まっちゃっているのかなって思いが、私の中にあって。
選手村でご飯を食べている時の選手の姿勢を見ると「格好悪い」とか思って。それでなくても日本人は背が低いのに、すごく小さくなっている。だから、よく運動選手に言うんですけど、「まずは人間になろうよ。人として生活しようよ。人であるからこそ、段階を経てアスリートになるんじゃないの? あんた達は、生まれてすぐにアスリートになっちゃったから、ここの段階を知らない。特に、怪我をする人っていうのは、そういう基本がないんだよ」って。「まず人間の歩き方をしようね」「人間の立ち方をしようね」という話になるんです。
でも、私たちって、教えられていないじゃないですか。歩き方とか、立ち方とか、座り方とか。私、小学校とか中学校の授業で教えていいと思うんですね。
で、私が何で今、博士課程を取って、一生懸命頑張ろうと試みているかというと、それこそ体育の教科書、あるいは保健体育の教科書の1チャプターに、「姿勢」っていう項目を入れたいんですよ。別に、スポーツなんて、体育で教えなくてもいいと思いません? でも姿勢とかは、教わらない限り、絶対に身につかないものなので、体育の教科書に「姿勢」っていう項目を入れたいがために、今、一生懸命勉強している、みたいな(笑)。
- 佐々木
中教審で、私も言います。
- 杉山
よろしく(笑)。でも、そう思いませんか?
- 佐々木
そう思います。姿勢だけでなくて、声の出し方とか、体の使い方とか、ものの考え方とか、動かし方とか、そういうのが学校の授業にあったらよいと思っているので同感です。方向性が同じで、今日は気持ちがいいです。
- 杉山
お願いします。雇ってください(笑)。
- 佐々木
こちらこそ、よろしくお願いします。セミナーもやれそうですね。
- 杉山
熱海で一回やってください。ぜひまた、いろいろと教えてください。
- 佐々木
こちらこそ。面白いですね。私は「主役力を高める」っていうコンセプトでよく講演をしているんです。今、本も書いてるんですが、そこでね、自分の人生の主役として、自分がいい人生を送るために、自分がいい脚本を書く。そのためには、行動計画・時間管理が一つ。もう一つが健康管理。つまり、体を知る事、心を知る事、頭脳を知る事が大切だって言ってるんです。自分の体、心、行動などを意識できるようになることが、大切だと。今日の話を聞いていて、体を認識するためのプロがきちんといたらいいな、と思いました。イー・ウーマンが提供できたらすごくいいな、って。
- 杉山
本当に面白いですよね。楽しみにしています。
- 佐々木
こちらこそ。これから、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
対談を終えて
自分の興味を掘り下げていき、楽しみながら道を開いていく。杉山さんには、そんなパワーがあります。振り返れば、小学生の時から知っている、小・中・高の後輩ですが「知っている」だけで、きちんと仕事のことなどお話をしたのは今回が初めて。もう、対談では収まらないくらい、多様な体験とストーリーがあります。
イー・ウーマンで一緒に仕事したいですね! と盛り上がったことは忘れません。ちゃんとプランして、実現させていきたいと思います。自分の体を知る、というのはスポーツ選手ではない私たちにも大切なこと。だから、これからもたくさんご指導いただいて、いい体作りをしていきたいと思います。
楽しかった。本当にありがとうございました。
25/25
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