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西 樹さん
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「コミュニケーション」という言葉の意味
- 佐々木
言いたいことを伝える、相手の言おうとしていることを知るっていうこと。それをコミュニケーションと思っている人もいると思うんですが、知ろうとしている人の気持ちに応えること、それもコミュニケーションの一つと感じますね。「シブ経」もそうですよね?
- 西
僕が考えるコミュニケーションっていうのは、簡単で、どうやって関係を持つかってことなんですよね。関係が持てないと多分情報も伝わらないし、聞こうともしないですよね。パーミッションのないところから情報を取ろうとしないから。
- 佐々木
今おっしゃっていることの手前の段階まで、ゼロの状態から手前の段階に持っていくところが結構大変。
- 西
逆にパーミッションまで行かないにしても、関係がつくれればいろんな表現があると思うんです、コミュニケーションのプロセスでは、まず商品を作って、商品を買ってもらうというのが目的で、まず知ってもらうとか、使ってもらうとか、見てもらうとか、あるいはそれを売ってもらうとかということですね。
そういう商品とのいろんな関係をとにかくつくっていくというところにPRとかプロモーションとか、場合によっては広告が必要になると思うんです。だから僕の頭の中ではコミュニケーションというのは非常に平易な言葉になっているんですね。どうやったら関係がつくれるかな、と。
「シブ経」も、あまり「これ読めよ」というスタイルじゃなくて、僕らが好きなことを淡々とやっているだけなんですね。締め切りを一つのゴールにして。
テーマの選び方もJ-WAVEから制約がないので、僕らが決めたらそれを自分たちでやっていくしかないんです。それを淡々とやって、なんらかの形で Googleとかで引っ掛かって来た人がここに辿りついてくれて、とどまってくれるのであれば、それが一つの関係であって、プロモーションというのは「シブ経」自体はあまりしてはいないんですね。
そういう関係づくりの中で、意欲のある人はどんどん編集部にメール送ってきますし、それも一つの関係づくりの延長線上だと思うんです。だけどそのためにはこちらが何をやっているかとか、何を考えているかとかを出し続けないと、向こうも関係を持つか持たないかの判断をしにくくなると思うんですね。
うちはこんなことやる、好きでやってるよ、このことにおもしろいと思う人はこの指止まれ状態、というところはありますよね。すみません、基本的にアバウトで(笑)。
- 佐々木
コミュニケーションということばを分解すると、「common=共有する」という意味なんですよね。つまり一方的な発信したり、伝えたりするだけでは実はコミュニケーションにはなってなくって、これがこうだよね、うんこうだね、と投げかけたことに対して反応が戻ってきて、一つの情報を共有してというので、初めてコミュニケーションが成り立つ。だからPRもそういうことなんだと思います。
おもしろいお話をいただいて、今日はありがとうございました。
対談を終えて
西さんの清潔感は、いったい何なんだろうと、いつも思います。シブヤの街の専門家としてメディアに登場することが多いのに、いわゆるシブヤのイメージと違って、清潔で静寂な感じです。世界若手起業家組織(YEO)の東京支部のメンバーとして、初めてお会いしたのは5年くらい前のことでしょうか。何しろ一人ひとりが強い個性を持っている、まさに起業家、と確信するような集まりですが、その中で西さんの個性とは、強く押し出るというより、静かな笑顔でそこに存在するというタイプでした。そして、今も当時と何も変わらない。対談では、その不思議を紐解こうとしたのですが、まだわからないことだらけです。きっと、これからのお付き合いの中で教えていただくことなのかもしれません。(佐々木かをり)
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