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古川享さん
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アップルの社長と、マイクロソフトの社長にならないかっていう話と
- 古川
なのに86年に、マイクロソフトとアスキーが分かれるって話になったときに、いきなり、アップルの社長にならないかっていう話と、マイクロソフトの社長にならないかっていう話とがきて。そのときにビル・ゲイツとの最終面接で「いろいろな人間を面接したんだけど、マイクロソフトのことを一番理解して、一番愛しているのはお前かもしれない」とかって言われて、「バカ野郎、今さら言うなよ!!」って。
- 佐々木
でもやっぱり、大好きだから受けた?
- 古川
大好きっていうかね、相当厳しいことを突きつけてたんですよ。「先にこの契約書にサインしないと、僕は絶対に外資系の社長なんてやれないよ」って言ったのね。
人事権に関して、自分が首を縦に振らない限り誰も採用できない。それから自分が首を縦に振らない限り誰もクビにできない。自分が雇ったマイクロソフト株式会社が日本で採用した人間は、こいつ気に食わないからクビにしろって言って、ビル・ゲイツでもクビにできない、僕が採用・解雇に関して自ら同意しない限り親会社でもビル・ゲイツでも私の意思を無視することはできない、とかね。僕が法律に触れたり、会社に対して、規律違反をしたときは、速攻、クビにできるんだけど、日本の会社の人事権は私が掌握すると契約条件に入れておいた。
それから給与も日本国内のルールで独自に決めていいと。給与も裁定と解雇、採用に関する人事権は、要するに最高の決済権は私にあるとね。先に突きつけちゃったんです。そうしないと、やっぱり外資系のやり方は怖かったし。そういうことを、ズラッーと50項目ぐらい書いて、これにサインしてくれないと、仕事しないって言って。ちゃんとサインをしてもらってから、社長になった。
- 佐々木
それでもやっぱり、それ以前にビル・ゲイツとの相当のやりとり、体験があったから、先手を打てたということですよね。そうじゃなかったら舞い上がって、何でもサインしちゃうようなポジションですものね。
- 古川
そのときは外資系による外圧(セミコンダクタ、自動車、スーパーコンピュータ、通信機器の調達問題などなど)も結構あったし。今はそこまで激しくはないけど、業績が悪かったら平気で3分の1解雇とかって、外資系だったら当たり前だったでしょ。
- 佐々木
今だって、外資系の会社の社長さんって権限が少なくて苦しんでいる方多いですよね。
- 古川
最初に会社を登記したときって、マイクロソフトジャパンという名前だったの。だから、この会社の社長はやる気ないから、会社の登記を直して、会社の名前を変えてって言って、マイクロソフト株式会社にしたの。
何とかジャパンって付いている外資系はやっぱり、ちょっと。僕ね、他の会社に、やめた方がいいよって言って、ロータスジャパンも、ジャパンをやめたのね、ロータス株式会社にした。アップルコンピュータジャパンもアップルコンピュータ。ジャパンっていうの、みんな外していったの。やめた方がいいよって、僕の入れ知恵で。
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