ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第116回 古川享さん

116 |
古川享さん
|
|
|
相手のことを理解するという能力も大事だよね
- 古川
だから自分が限られた予算で海外収財を楽しんだ時代と比べると、最近の若い子は自ら何もしないし、何に対しても感動しないのかな、思って先週もシリコンバレーにツアーの団長として連れていったのだけれど、これがちょっと。
- 佐々木
なぜ今の大学生とかって、面白くなくなっちゃったんでしょう?
- 古川
なんだろうな、ゆとり教育のせいじゃない? ゆとり教育といいながら、やっぱり人は自由な競争の中で勝ったり負けたりするんだっていうことを分からないまま、挫折も体験しないし、気がつかないまま人を傷つけたりしているのかな。傷つけているっていうことに気がつかず、人の痛みも知らないで、人を傷つける行為をやっている、っていうのが不思議だよな。
例えば、本当に賢くって自分の会社をつくったのはいいし、アメリカに来て自分で自己主張するのはいいけども、社会性だとか、自分自身がどういう人間として見られているかだけじゃなくて、自己主張だけじゃなくて、相手のことを理解するという能力も大事だよねって言って話をするじゃない? 「はい、質問の時間です」って若い子がいきなり手を挙げて、何を最初に聞くかって思ったら、「古川さんはご自身の子どもの教育は旨くいっているんですか?」って。人の話を聞いているのではなく、弱みを突いてきて、相手に攻め込むことに快感を覚えているのか?こいつらは…って感じでね。
- 佐々木
え!
- 古川
すごいよね、だからもう、なんか。
- 佐々木
だから一緒に何かを作ろうとか、何かに向かって進んでいくためのディスカッションじゃなくて、どっちが勝ちかっていうことを競い合う会話になっちゃうんですね。外見は、心根の優しい良い子たちなのだけれど、
- 古川
とにかく怒られたことがないんだと思うんだよね。でも考えてみたら、自分の息子に手を上げたとか、怒ったかっていうと、どれぐらいだろうね。
- 佐々木
私はよく怒ってる。
- 古川
でも自分の教育では息子にね、「お父さんに怒られたことはあるか?」って聞いたら、ジッーと考えて、3歳のころに、ハサミを渡すときに、ハサミの刃の方を相手に向けて渡そうとしたら、それは危険だから危ないって。ちゃんと柄の方を相手に向けて渡さないといけない、そのときに怒られたって。それは、人の子どもに説教している間にもっと自分の子どもと向かい合って時間を使わなければいけなかったかな、と反省もしているのだけれどね……(5月の連休に1年ぶりに息子と二人でニューヨークに行く予定)。
- 佐々木
わあ。なんだか話が尽きないんですが、時間が大幅に過ぎました。やっぱり古川さんとは、通常の対談なんて無謀な試みだったみたいです。古川さんの頭のデータベースから、伺いたい話もまだまだあるし。どうぞこれからも、いろいろとご示唆いただき、イー・ウーマンを応援していただけると幸いです。また、別の機会で、いろいろと教えてください。本当に今日はありがとうございました!
対談を終えて
いつも私たちのパーティでは撮影した写真を披露して人気者に。今回も対談の後、スタッフが「おしゃべりクマちゃんみたい」と一言。……いつお会いしても、マイクロソフトの社長をつとめていた「偉い」人という雰囲気は全くなく、だからこそ「本当に立派な」社長だったのだろうと尊敬している古川さんと、ついに対談が実現しました。話題が多くて、話のスピードが速くて、情報量がとてつもなく多い古川さんとは10時間くらいの対談でないともったいないと思うのですが、今回は、そのほんのさわり。できればあとは、イー・ウーマンユニバーシティとか?一つのことに熱中する姿が少年のような、チャーミングなビジョナリーリーダーなのでした。これからも温かいご指導お願いします!
33/33
|
 |
|
|