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大平 健さん
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「特集レベル」で満足しない
- 大平
もちろん、これはまったくの作り話で、説明しているんですよ。たとえばその人は入社以来、ずっとトップの成績を収めてきた。ところが定年を迎えた時、同期のうち何人かは取締役になったのに、自分は「長い間ご苦労さまでした」と言われてそのまま退職となった。
「この人はなぜ取締役にしてもらえなかったのだろう」、ってこちらは思いますよね。そうしたら、実は社内に二つの派閥があって、自分はどちらにもつかないでいたら結局出世できなくなった、というような背景があったとする。
- 佐々木
はい。
- 大平
それを話したと同時に、その人は、自分の中にその時の悔しさがよみがえってくるわけです。するとこちらも、その3,000万円で一勝負して、会社に「ざまあみろ」って言いたかったんじゃないか、その悔しさの表れだったんだ、ってわかりますよね。
- 佐々木
そうですね。
- 大平
しかし、この時点で、「そうか。だから眠れなくなったのか」と思うのは、実はまだ駆け出しの医者なんです。精神科医の間ではよく、あるテレビ番組の「特集レベル」と言うんですけどね(笑)。このくらいのストーリーや分析で満足しちゃいけない。そんな悔しさくらいで眠れなくなるの? って、もう一度思わなければいけない。
- 佐々木
で、何を尋ねるんですか?
- 大平
ほとんどの人には職業と家庭と両方の生活がありますから、今度は家のことを聞いてみるわけです。
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