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志村季世恵さん
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脳には男女差がある
- 志村
わたしの場合、「こども環境会議」をつくって、「子どもが育つ環境とはどういうのがいいのか」というのを考えてみようと思ったんです。
軽井沢で年に4回、核大家族ごっこというのをするの。核家族に対して大家族のよさを味わってもらいたくて。みんなで何泊かするの。その時に、お父さんやお母さんたちと夜中にお酒を飲みながら、気持ちいい状態で話してもらうの。そうすると、お父さんたち、家庭というものはコミュニケーションが大切だ、なんていいこと言うの。
でもね、今言ってることと、自分が家でやってることと矛盾してるなって気付くじゃないですか。アドバイスしながら、「おれ、いいこと言ってるなあ。自分はやってないけど」って。
男の人は、日常、具体的に話し合わないんですよね。
- 佐々木
どうしてでしょうね。自分が子どもを産んで母になった日と、夫が父になった日とは同じだから、親としての経験年数は同じはずなのに、どうしてこんなに子育てや子どもの心理、教育などについて情報量が違うのか。子どもとの対話の訓練の度合いが違うんだろうと思うんです。
- 志村
これは差別的な話じゃなくて脳かなにかの差だと思うんです。男の人は瞬発力でその日、その時を生きていくんだと思うの。そうしないと生きていけないんだと。でも、女の人は長くものごとを考えていける、見通しをつけていける。
この十数年間、カウンセリングをしていていろいろ学ばせてもらったし気付いたことがあります。その中の一つにね、女の人は、困ったことや悩み事があると、その困っていることを具体的に人に話したくなるんです。
わたしなんかでもそうなんだけどね。たとえば、ターミナルケアをしていた患者さんが亡くなってしまったとするじゃないですか。そういう時って「どうだった?」って聞いてほしいじゃないですか。わたしと一緒に泣いてほしいじゃない。わたしの悲しみや痛みを分かち合ってほしいじゃない? 女友だちはそれをしてくれるのね。
ところが男の友だちは違うんです。わたしが誰かを看取ると、「ご苦労さま」って花束が届くんです。あとおいしいものを食べに連れて行ってくれるわけです。環境をつくるんです。花が届くのはうれしいんですけど、「どうだった?」とは聞いてくれないの。
- 佐々木
たとえば、お誕生日に「おめでとう」と言ってくれるなら一時間でも話がしたいのに、「指輪がいい? ネックレスがいい?」って電話があって、当日プレゼントがポンと届く、みたいな。
- 志村
うれしいけど、なんで心が空しいんだろう、というのと似てるでしょ?
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