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藤野英人さん
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もらうはずだった10億
- 佐々木
藤野さんのそのような仕事振りの成果として、元金が5倍になったのですから、金融界のサラリーの基本として、ここで大金がもらえるわけですよね。200億〜300億を2800億にした、ということは、どれぐらいのボーナスがもらえるものなんでしょう。
- 藤野
一番低く見積もっても2億円くらい、高く見積もると5億〜10億ぐらいにはなりますね。そのぐらいの価値はあったということです。
2800億だと、いろいろ入れて会社に入ってくるのは30億程度です。その10分の1でも3億円、3分の1だと10億円、という計算になります。
- 佐々木
ファンドマネジャー一人の1年間の働きに対してのボーナスですか?
- 藤野
そう、1年間です。
- 佐々木
でも、藤野さんはそのボーナスをもらわなかったとか。
- 藤野
そうですね(笑)。
- 佐々木
それはなぜ?
- 藤野
2000年の4月にもらえる予定だったんです。1月に辞めたので、ボーナスはもらわないで辞めたんです。
辞めた理由は、マーケットが崩壊してしまうことをとても強く意識していたということです。当時のマーケットがあまりにも調子がよすぎたので、大きく下落するだろうということは明確に予測していたんです。
そんな中、自分の方針と会社の方針が合わないことなど、いろいろなことがありました。そこで、自分自身がここでお金を得ることよりも、将来のチャンスを考えると辞めるほうがいいと思いました。
会社に残ってしまうと大きな下落相場に巻き込まれて、自分にとって、社会的に大きな打撃になるだろう、株価がピークの時に辞めてしまえば全員がハッピーだろうと考えて。
- 佐々木
全員というのは?
- 藤野
2800億円のお金を投資してくれた人たちです。わたしが辞めることで、その人たちが怒ってしまって株を売ったとしてもその時がピークですから、その人たちにとってはいいわけです。
- 佐々木
損をさせないで済む、ということになりますよね。
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