ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第3回 石川 雅仁さん

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石川 雅仁さん
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伝統食が秘めたる効能
- 佐々木
そういう素材を見つけてくるのってすごく楽しいでしょう?
- 石川
いやー、それに生きがい感じていますね。日本にも、たとえばウメのように、昔からの伝統もあり、体にいいとされているものがありますよね。リカメンもそうなんです、フランスで。そんなふうに代々受け継がれてきたものがたくさんあります。
どこの国にも、その生活環境に耐えられるように、伝統的な食べ物が必ずあるんですよ。たとえば、熱い国であれば、熱さによって起こる障害を防げるような食べ物。
- 佐々木
確かバナナも食べると体を冷やす効果があるって言いますものね。
- 石川
そうなんです。それぞれの国に必ずいくつか伝統的に良い食材があるはずなんです。そういうものを化学的に検証して見つけるというのは、化学者であるわたしとしては非常に楽しいことなんです。地下室に入って、試験管を振りながら、ずっと一つの研究を続けるのも楽しいんです。発見をテーマに広い立場で何かを調べるというのが一番楽しい。
- 佐々木
世界中歩いて、ある部族が飲んでいる薬みたいなものを見つけて、自分で分析すると、実はすごい効能があった!などと証明できたら本当に楽しいでしょうね。そんな旅だったらお伴したいですね。
- 石川
(笑)
- 佐々木
(笑)わたしニュース・ステーションでアフリカやアジアなど各地の村に行って、地酒や食物を、「こんなの作ったから飲め」とか、「これ食べろ」とか言われて、いろんなところで口にしましたけど、いろいろ良いものがありそうですよね。
- 石川
そうですよね、だからわたしいつも思うんですけれど、みなさんが食べてみて、すごく興味を持たれるような、その国のおいしいものってあるじゃないですか。そういう食と健康は一緒だと思うんです。ですから、効能のあるおいしい食を求めて旅する、そういう世界の旅は面白いだろうな、考えているんですけどね。
- 佐々木
やりましょうよ、イー・ウーマンツアー。食と健康を考える世界旅行。いいですね。
- 石川
おいしい物を味わって健康になって帰ってくる。
- 佐々木
いいですね。年に2〜3回ぐらい一緒に行きましょうか(笑)。ところで、今日お持ちいただいたのは、モロッコの「アルガン・オイル」ということですが、これにはどんな風に出会われたのですか?
- 石川
わたしも取引があったりしてフランスに行く機会があるんですが、出張の際、フランス料理店で出されたドレッシングで非常においしいオイルがあったんです。今までの味わいとちょっと違っていて、「あれっ?」ていう感じ。似ているけどアーモンドでもないし、おいしいなって。そこで初めてアルガン・オイルを知ったんです。調べ始めたら、モロッコが発祥でした。また、ちょうどうちのスタッフがモロッコに行った時に、ラクダに2時間も乗っていたらお尻が皮むけて痛くなっちゃったということがあって……。
- 佐々木
たくさんいるんですよね、ラクダ。わたしもモロッコでラクダ市に行きましたけど、すごい数で驚きました。
- 石川
そのスタッフが現地の人に、「これ塗っとけば治り早いよ」って言われて塗ったのがアルガン・オイルだったんです。
- 佐々木
濃縮したみたいなものですか?
- 石川
そんなようなものだったんですね。普通だと皮がむけたらずっとヒリヒリして痛いはずなんでしょうけど、塗ったらたしかに良くなったっていうことでした。その現物を持ち帰って、こんなものがあったと教えてくれたんです。
- 佐々木
スタッフも世界の旅をして、いいものを発見するのがよろこび?
- 石川
そうなんですよ。それで、このオイルを調べ始めました。すると、モロッコで、地下20メートルぐらいまで根を伸ばして砂漠化を防いでいる、世界遺産になるような重要性のある木が、アルガン・ツリー。その実から採れるオイルだったんですね。現地では、おいしいので食用として使われていたり、治療薬として使われていたり。その上、女性のドラマもあって、わたし自身すごく共感してしまったんです。是非日本で広めたいと思って、会社の利益度外視で即決したんです。役員会で叩かれてますけど。
- 佐々木
(笑)
- 石川
本当にこういう良いもの、それから歴史やドラマのあるものを大勢の人に伝えたいな思い、後先かまわず、もうこれ取り扱うって決めたのが、このオイルなんです。
7/12
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