ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第30回 林 文子さん

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ビー・エム・ダブリュー東京株式会社 代表取締役社長
林 文子さん
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楽しんでいただきたい。それが私流のセールスでした
- 林
どうしても人間って好き嫌いが出ますよね。たとえば、すごく優しくされた奥さまだったら、うれしくてまたその奥さまのところに行きたい、みたいな。そうすると奥さまも「あ、ちょうど今お掃除が終わったところだから、お茶飲んで行く?」ということになるわけですね。「うちは車なんか買えないわよ」という奥さんでも、女性のセールスは珍しかったですし、何かと話し相手になるじゃないですか?
- 佐々木
おいくつくらいの時ですか?
- 林
31歳です。女同士でしょ、で23歳で結婚していましたしね。人生経験もあり、お客さまも話し相手には楽しいわけですね。ただ車の説明をするわけにはいかないんですよ。だって招かれざる客で、いきなり自分が押し掛けるんだから。
最初に考えたのは、わたしはまったく勝手に相手の都合も考えずに押し掛けるのに、この方はわたしのために15分でも話をしてくれたとか、5分でも玄関に立って言葉を交わしてくれたということがね、すごく感謝につながっていったんですよ。逆にまったく会ってくれない人もいるわけでして。
- 佐々木
はい。わたしなどは、「けっこうです」と言って、ドアは開けません(笑)。
- 林
ところが上げてお茶を飲ましてくれる、なんて人もいるわけじゃないですか。だから本当にうれしくなってね。たまらなく感謝するわけですよ。だんだんそういう気持ちになってきてね。たまに退屈で家にいるとき、わたしが行くと、とてもうれしそうな顔をしていただくことがあるんですよ。それが本当にうれしい。
また喜ぶ顔を見たいなと思って、また一生懸命やる。そういうことから始まっていますから、「車を売る」っていうのが頭から飛んでたんですよ。新しい方に会って、その方が自分のほうに振り向いてくれることが妙に楽しかったり。そこがわたしの営業の出発点になったんで。何のご縁でこの方にお会いできるんだろうと思うこと、ありますでしょ? 佐々木さんも?
- 佐々木
はい。
- 林
ご一緒にいる時間を、なんとしてもその方に楽しんでいただきたい、というのがわたしの原点となって、それが自分の中にあるサービス精神を育てたんじゃないかな、と。今でも「そんなに気を使わなくていいんですよ」とか「社長なんだから」って言われるくらい、異常に気を使ってしまうんですよね。社員の人にも「お元気ですか?」とか「大丈夫ですか?」とか、つい言ってしまうんですよ。
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