ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第30回 林 文子さん

30 |
ビー・エム・ダブリュー東京株式会社 代表取締役社長
林 文子さん
|
|
|
自分の名刺が持てる
- 林
それで、名刺を持たされたんです。夢のような感じがしましたよ。昔は大企業の女性というのは、対外的には必要ないわけでしょう。それまで名刺というのを持たされたことがなかったんです。だから名刺があこがれだったんですよ。今ならみなさん当たり前に名刺をお使いですが。
それがうれしくってうれしくって。「わたしはこの地域を担当させていただいているホンダのセールスの林です」と言うことが、うれしかった。
- 佐々木
すごくわかります(笑)。
- 林
わかります(笑)? ありがとうございます。ピンポーンと押して、「どなたですか?」と聞かれて「この辺を担当しているホンダの林です」と言うと、「うちはお父さんトヨタしか乗らないからホンダは駄目よ」ってインターホンがプツッと切れるんですよ。
パッとドアを開けて「どなたですか?」と出てくる人、恐る恐る心配そうに出てくる人もいるわけです。でも、そういう人間模様が楽しかったんです。人が好きなんでしょうね。だから飛び込み訪問が苦にならなかったんです。
- 佐々木
それに、とにかく「担当の林です」と言えることがうれしくて、断られても何の苦にもならなかったんでしょうね。
- 林
そう。最初の社長にね、「なにしろ飛び込み訪問やって来い」って言われたわけですよ。「あなたまだ車のことよくわかってないんだから、ど素人でしょう。だから買う気持ちでショールームに来られる方たちの相手をして、もしうまく説明できなくて逃げられちゃったら困るでしょう。とりあえずあなたを鍛えるためにも、外を回って来てよ」と言われた。それがすごく良かったんです。
思い出すとね、本田技研の研修を受けずに、飛び込み訪問をいきなりやらされたんですよ。「あら、あなた珍しいわね。女の人で営業マンなの?」と言われるのもうれしかったりして。
7/18
|
 |

|
|