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35
ビジネストレーナー/株式会社ユニカルインターナショナル バイスプレジデント
ダーシー・アンダーソンさん
過去の対談一覧
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戦略的コミュニケーションは短文で
佐々木
ダーシーさんは、ビジネストレーナーとして世界各地でセミナーを行われていますが、イー・ウーマンでも「Word of the Day」というコラムで、毎日ワンフレーズの英語レッスンを展開してもらっています。このコラムのテーマを決めるときのポイントはありますか? どんなふうに選んでいるのですか?
ダーシー
そのコラムでは、毎週のテーマに関連した5つの言葉をを盛り込むようにしています。ビジネスの場で使える言葉を選び、どう使うかという例を示します。おもしろいイディオムやフレーズでも、故意に選ばないものもたくさんあります。
わたしのコラムでは、ビジネスウーマンのみなさんが「明日の会議で使っても大丈夫なイディオムやフレーズ」を選択のガイドラインとして守っています。
佐々木
あなたは戦略的コミュニケーションに長けていますね。あなたの言葉はとても力強い。どうやってその力を身につけたのですか?
ダーシー
簡単な方法は、1ページの原稿を半分にすることです。必要ない単語や文を、ひとつ残らず削除するのです。どの言葉にも意味がなければなりません。あってもなくてもいい言葉が存在したら、文章を混乱させるだけなのです。
わたしは、スピーチ原稿を用意する場合、まずオリジナル原稿を3分の1にして、それをもう一回、もう一回と繰り返し読みます。ビジネス以外の場面では、長く書く必要があることも多いかもしれません。しかし、ビジネスの世界では短いほうがいいのです。
特に電子メールではそうです。というのも、たくさんのメールが届いている中、返信する場合、人はまず一番簡単な短いメールに対して返事を書くものです。簡潔なメールだと読むのも楽ですし、返信しやすいですからね。文章を削る練習をすることは大切なのです。
佐々木
日本人特有の間違いや傾向はありますか?
ダーシー
いつもセミナーで言っていることなのですが、日本人はとても控えめで、西洋人から見ると、謝りすぎだと思います。ビジネスの相手である欧米人は、謝りすぎとか控えめという態度をとりません。彼らは、実際には何もわかっていなくても、わかっているふりをすることが得意なのです。「モノにするまでふりをしろ」という言葉があるほどです。
ですから日本人には、「もっと自信を見せなさい、相手もわかったふりをしているのだから、おどおどしてはいけません」とアドバイスしています。日本人にとって相手の欧米人はよく下調べをしているように見えます。これに対して日本人は、あなたの会社をよく知らないと言ったりします。でも実は、日本人のほうが知っていたりする。だから、「相手は十分な準備ができているのだ」などと頭から信用しないことです。
佐々木
そのとおりですね。よくわかりました。今日はどうもありがとうございました。来年は、お子さんたちと一緒にお会いできるのを、楽しみにしています。
対談を終えて
彼女に会ったのが15年くらい前。それも、新聞に出した求人に応募してくれたのがきっかけ。それ以来、1000人以上の英語のネイティブで、プロとして仕事をしている人に出会ったけれど、彼女ほど、マーケティング感覚に優れた英語使いはいないのです。伝える、ということは、やっぱりマーケティングの感覚が必要なんですよね。そして、プライベートでも、「親友」というほど近い存在です。今回は、じっくり過去を聞いてみて、さらに彼女のすばらしさを実感。今はイー・ウーマンサイトの「Word of the Day」にて毎日英語を教えてくれていて、わたしも勉強になっているのですが、これからも、もっと一緒にいろいろとできるね、と語り合いました。
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