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江端貴子さん
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節目で助言受けてきた
- 江端
小学4年生の息子の教育の問題もいろいろありますし、それから仕事をしていた時には出来なかったPTAの活動にも参加したり、また知人から『仕事をちょっと手伝ってくれないか』とか『アドバイスをもらえないか?』という声もかかりますし…。
- 佐々木
こうして対談したり(笑)。
- 江端
私は一つの目標に向かってガンガンに頑張って来たというタイプではないんです。人生のいろんな節目ごとに、いろんな人に助けられ、助言を貰ってきたというタイプだと、今これまでの人生を振り返ってみると、そう強く感じるんです。
小学校で教育実習をしている時に私の担当をしてくださった先生が、「世の中には周りが放っておけないという人がいるんだ」という話を何度かして下さっていたのです。その時は『ふーん!』と聞き流していたのですが、今考えてみると『それって私のことを言っていたのかな?』って思ってしまうんです。
だから自分で突き進んで人生を切り開いてきたというより、周りの人々に生かされてきたおかげでここまで来れたという感じがあるので、今こうした形で休み、キャリアを中断することになって、今度は自分が人に何かを返していかなければならない時期に来ているのではないかと思ってしまうのです。
- 佐々木
江端さんのことですから、ずっと家にいるという選択はないと思っています。いつでもイー・ウーマンでは歓迎ですよ!(笑)
- 江端
そうですね、今まで仕事をしてきた中で、本当はあまり女性ということを意識してきたことはなかったのです。富士通にいた時は、女性だからということがありましたが、それはまだ男女雇用機会均等法もできる前の日本企業でしたし、その後の外資系の会社では、ほとんど男女の格差なく仕事ができるような環境でした。
しかし、業界では、まだまだ数少ない女性のエグゼクティブということもあり、いろんな場面で女性の管理職としての意見を求められるようなことが多くなってきました。
また、こうして休職している場合でも、業界に関係なく、女性のロールモデルとして、わが社に来てくれないかというお誘いも受けるようになりました。
さらに、こうして家庭に入って見えてくる、子供達が今置かれている環境や、女性が置かれている立場等、いろんな問題があるように思います。ですから、今まではこうした問題を自分がビジネスパーソンとして働いていく上での副次的なものと考えていたのですが、もう少しこういったことを主体的に考えていきたいという気持ちが芽生えています。
つまり、『日本人であるという意識や、日本人に生まれてよかった!』と子供達が思えるような社会を作る手助けをしたいと今は思っています。どういう形になるのか、ビジネスを通じて行うのか、NPO的な活動になるのかは、まだ自分でも分りませんが、こうしたことができればいいなあと今は思っています。
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