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写真家・ジャーナリスト(医学ジャーナリスト協会会員)
伊藤 隼也さん
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自分のカラダを自分で管理することの重要性
- 伊藤
だからサードオピニオンというか、基本的には、僕はやっぱり自分の体について言えば、お医者さんは医学のことに関しては詳しいかもしれないけど、自分の体のことは自分が世界一詳しいわけだから。
やはりこれからは、いわゆるセルフマネジメントがすごく大切だと思うんです。セルフマネジメントをどうしていくかというのは、より良い人生のためにすごく重要だと思いますね。
- 佐々木
いい病院の例で、先日のテレビでは乳がんの専門病院をご紹介されましたね。元患者さんが病院の中でボランティアされてるっていう、鹿児島の相良病院。特集するぐらいだから珍しい病院ということでしょうが、ああいう病院との関係は健全ですよね。
- 伊藤
まあ、あんまりないですよね。医療消費者なんて言葉もありますが、僕はいわゆる医療におけるコンシューマは、多彩なサービスがあるということを知らないといけないと思うんです。で、その多彩なサービスで自分の価値観に合ったものを選べる環境が揃っているというのが望ましい。
医療に100%はないから、極端に言えば、病気によっては相良病院に行ってもどうしようもない、最低の病院でも結果が変わらない可能性もあるわけです。
でも、結果が変わらないからといって、患者がただでさえ苦しい、辛いという悲惨な状況のときに「患者中心の医療を当院は推進しています」なんていうお題目だけを並べて、まともなサービスを受けられない病院が少なくない日本はまだまだダメなんです。
やっぱり、提供してもらうサービスはアットハートで、なおかつ自分にとってより好ましくて、それで自分が病気にものすごくいいレベルで立ち向かえるというかね、それがやっぱり必要ですよね、今。
- 佐々木
海外の団体でも、適切な医師を紹介するサービスで、一番大切なのは満足度というリポートを見たことがあります。重病で、どんなにベストな医者が診たとしても治療しきれなくて亡くなってしまうケースでも、最大限の努力をしたことや病院とのコミュニケーションで非常に家族の満足度が高いと。今まさにおっしゃるサービス業というような部分なんですよね、きっと。
- 伊藤
そうです。それは結局、人間の体って、まだ100%解明されていないから、そういう根源的な優しさ、グレート・メディスンというのはまさにパッチ・アダムスが言っているけれど、幸福、楽しさ、愛、協力、想像力、だとか、そういういろんなものが患者に与えられるような、そういう環境で初めてグレート・メディスンなんです。
現状は残念ながら、もうグレートなんていうようにはいかない。それはもちろん、病院やお医者さんだけに責任があるのではなくて、僕たちもそういうサービスを求めていっていない、また差別化を自分たちで積極的にしていっていないということも、大きな要因なわけです。
- 佐々木
だれもが、病気になったときに考えているのが医療のことですが、それはやっぱり、私たちは病気になってからでなく、日々医療の動きや病院のことに関心をもって、自分がいつでも行くことができる場所を複数用意しておくことが大切なんでしょうね。
- 伊藤
だから、そのために欧米だといわゆる「かかりつけ」、「ホームドクター」を自分でもっているのですが、日本は、なかなかそのホームドクターが……。
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