ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第47回 伊藤 隼也さん

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写真家・ジャーナリスト(医学ジャーナリスト協会会員)
伊藤 隼也さん
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農業で右脳を育てる
- 佐々木
伊藤さんのお話を伺ってるとやはり、体験や直感からくる右脳的部分と、それをデータ化し、論理づける左脳の部分と両方の働きが魅力なんだと実感しますが、右脳や第6感みたいなものは、鍛えることもできますか?
- 伊藤
人間ってすごく自然な治癒力もあるし、いろんな力を持っていますよね。そのパフォーマンスを高めたいと思って、僕は田舎で農業したりとか、いろんなことやってるんですけど。
- 佐々木
え? そうなんですか、どこで農業されてるんですか。
- 伊藤
南相木っていうところで、畑を借りて蕎麦を作ったりとか。長野県です。野辺山の下のほうで、800坪ぐらいの畑を借りて。
- 佐々木
それは素晴らしいですね。お忙しそうなのに、やることはちゃんとやってらっしゃる。理想的な感じです。だからこそ、右脳も左脳も働くんですね。
- 伊藤
うーん、自分にとってのチャレンジングな場所をいろんな所に作っていかないと、だめになりそうで。だから大変なんです、周りは(笑)。
- 佐々木
農業は、好きなときだけやる、というわけにいかなくて、始めたら毎週行く必要があるでしょう。
- 伊藤
そう、だから時期を見て、行かなきゃいけないから大変なんです。時期を逃すと……、我が家のオクラはバナナみたいになっちゃって。でもバナナみたいなオクラが、意外においしかったりするんです。
- 佐々木
楽しいですよねぇ。
- 伊藤
僕は医療の仕事にかかわっているからか、食べ物にもすごい興味があります。たぶん、自分で作らないと本物はわからないと。たとえ失敗もしても。葉ものなんかは夏場に蒔くと全部、虫に食われちゃうんです。
そういうことを知らないから。もちろん、無農薬で消毒も何もしてないけれど、我が家が作ったチンゲンサイは穴だらけ。でも、美味しい、逆に綺麗な野菜には毒(農薬)がある、なんてことを身を持って知るんです。
- 佐々木
無農薬でも、土が良くて育て方がいいと、虫ってつかないんですってね。
- 伊藤
僕には出来ませんが(笑)。でも、穴があいていても虫がついていても、おいしいわけですね。イー・ウーマンでもやってましたよね、旬の食べ物は栄養価が高いと。あれはね、食べるとわかるんです。
自分で作ったトウモロコシはね、こんなおいしいもの食べたことないってくらいで、生でも食べられるんです。でも、作る喜びっていうけど、ものすごく大変なんですよ。ほとんど寝ずにそこに行って、仕事した後に畑に出かけて行って、自分たちで育てて、できすぎちゃって、今度はそれを処理できないから、捨てるのが嫌だから……。
- 佐々木
持って来てください、今度(笑)。買い取ります。それにしても、800坪の土地でいまも続けていらっしゃる?
- 伊藤
いっぱい空いてるんです。過疎のところにはたくさん空いてるんですよ。だけど、そこに自分で出かけて行かないと。
- 佐々木
全部パッケージになってて、インターネットで選べるとかじゃない。
- 伊藤
全然そうじゃないから、僕はある日突然訪ねて行って、人を介して村のご老人たちと仲良くなって、その村に家を借りて。そこに今度は友人の医学生を呼んだりして、小さなワークショップをやってみたりとか、一宿一飯の恩義とかいって、我が家の便所掃除をしてもらったり。とにかく体当たり的にいろんなことをやるんです。
- 佐々木
うまく循環してますよね。素晴らしい循環型だなあ。
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