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古荘純一さん
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精神医学と心理学
- 佐々木
心理士と精神科、私たちはどのように使い分けたらよいのでしょうか。
- 古荘
一つの大きな違いというのは、精神科医は医者だということです。心理で非常に経験がある方でも、医師免許がないと、処方箋を書いたりする医療行為はできません。
病院の中でカウンセリングをしたとしても、心理士が単独で行った場合は保険点数として請求できないんですね。心理の方は、大学の心理学科を出て、臨床経験を積んでいくんですけれど、病院でカウンセリングなどの仕事をしても診療報酬をもらうということはなく、システム上指導を受ける医者を探して、医師の指導を受けてカウンセリングを行ったとしなければならないのです。
ですから、心理の方だけに相談するということであれば、本当に心理の方のボランティアで報酬を支払わないという方法と、それから心理相談所ということで、自費という形になります。
30分でおいくら、というような形で、カウンセリングを受けるということですよね。日本では話を聞いてもらうとか助言を受ける行為に報酬を払うことは普及しない。根本的な考え方が、アメリカとは違いますよね。
我が国でも、心理士の国家資格や処遇についていろいろと議論されているのですが。
私は大学病院の外来では、医師と心理士が診察室で同席し、お互いの不足を補う形をとっています。例外的なやりかたですが、患者さんにとって別々に予約をとるよりは利点が大きいし、医師は子ども、心理士は母親を中心になどきめ細かに支援することができます。
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