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株式会社アドバンテッジ パートナーズ 共同代表パートナー
リチャード・エル・フォルソムさん
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企業の売りニーズは多い
- 佐々木
多いというのは、安定市場の中から企業を探している?
- フォルソム
必ずしもそうではないんですけれども、なにしろ日本で成長している市場っていうのは少ないので、すぐに出てこないんですけれども(笑)。
- 佐々木
たとえば塩に目をつけたのは、なぜ?
- フォルソム
最初は塩に目をつけたわけではないんですが、ただ食品関係にはずっと興味を持っていたんですね。アイクレオのニューバランスミルクっていう会社とかをやったこともあるし。
- 佐々木
そうでしたね。私も関わらせていただいて、とても興味を持ちました。
- フォルソム
だから食品っていう領域にはそもそも興味があって。ひとつ、興味のある領域だったとしても、案件になるかどうかという問題があります。売りニーズがあるかどうか。それも重ならないといけないんですね。投資したい会社だけをリストアップして投資ができるかっていうと、なかなかできないんですね。
- 佐々木
売りニーズっていっても、別にその会社が「売りたいです」って言ってるわけじゃないから……。
- フォルソム
言わないんでね。だから塩の例をとってみると、いろんな切り口があるんですが、売りニーズがありそうなところを発掘して、アプローチする。
ひとつは大企業の非本業の部門子会社。それは大企業でいろんな部門子会社を抱えていて、そういうものの整理をやるはずの企業がある。あるいはそもそも社長がIRでいろいろ宣言して、「連結子会社300社のうち100社はここ3年間で切り離す」というようなことを言ったりしているところであれば、我々がそういう大企業――旭化成や日立、東芝、日産というような会社をリストアップします。そして外部情報を集めその連結子会社も全部見て、我々が投資できる可能性がある、もしくはその業態に興味があるものを何社かピックアップするんです。
そして経営企画や管理、統括部門にアプローチして、「この10社で何か話ができませんか」ってところから始めて、その中にたとえば塩があがっていた。10社に対していろいろ話を進める中で、さまざまな理由で他は脱落して、1年半くらいかけて、じゃあ塩でいきましょうということになる。最後の半年間くらいで実際にデューディリジェンスとかをやって、交渉して、買収が成立。もう、始めから終わりまで2年間くらいですね。旭化成の塩の子会社の場合は。
- 佐々木
よくわかります。
- フォルソム
それがひとつの例で、あとは大企業じゃなくて独立系の企業。たとえば帝国データバンクのデータベースを調べる。あそこは後継者がいるかいないかという項目があるんですね。だからファウンダー&オーナーで株式の過半数以上を持っていて、年齢が55歳以上で後継者がいないって、そういう条件でデータを抽出してもらって、400社というリストを作ってもらって、それぞれに対して手紙を出すなり取引銀行からアプローチするなり、主幹事証券から当たるなり、っていうようなことをする。それがひとつ、我々がやる能動的なアプローチです。
売りニーズは実は世の中にたくさん存在していて、その情報は証券会社とか銀行とか、会計事務所とか弁護士とかのところに集まってくるので、そういう人たちと頻繁に情報交換をして、なるべくそういうニーズがあるときに我々の方に話があるようにするんです。
- 佐々木
投資対象としての魅力はどうやってみる?
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