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株式会社アドバンテッジ パートナーズ 共同代表パートナー
リチャード・エル・フォルソムさん
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改善の余地があれば、投資対象
- フォルソム
我々から見て、改善の余地。つまり、我々の経験やノウハウを活用して、改善の余地があるのかないのか。ある程度の強みや優位性はすでに存在しているけれども、ベストはそれを十分に発揮できてない状態。つまり、改善の余地がある。我々から見ると、今の既存の所有者が持つさまざまな制約条件がかかっていて、フルにその可能性を実現できていない。改善の余地が大きい方がいいんですね。
- 佐々木
それは、たとえば組織構造だったりですか? 具体的にはどういうところに目をつけるんですか?
- フォルソム
急に非常にミクロな話に持っていくと、たとえば弥生のケース。弥生はダントツに強いブランドがあって、中小零細企業の会計ソフトとしては一番で、もう7年連続で日経BPだとかBCNとかからベストソフトウエア賞をもらっていて、非常に確固たる強みがあるんです。
デューディリジェンスをいろいろやってみてわかったことは、ビジネスモデルがおもしろい。その箱売り切り、です。あのソフトウエアの箱売りっていうのは、もちろんひとつの収入なんですけれども、実は売り上げの半分以下なんですね。
あとの半分強は何かというと、ソフトウエアを買ったお客さんからのサブスクリプション――メンテナンスみたいなもの。それはオンラインヘルプデスクとかアップグレードとか、です。これが一番の利益源なんですね。
で、見てみると、そういうサブスクライバー、会員は我々が買った当初は7万5千人くらいでした。正確な数字は覚えていませんが、箱売りは年間2万個くらいの箱を売って、その中で15、16%くらいの人たちが会員になって。でもそうすると、会員のバケツに毎年数千人が増えるんですけれども、一方でだいたいこの7万数千人で十数パーセントが会員を辞めていくんですね。そうすると増えてない、ということに気づく。
大きなバケツの栓が抜いてあって底から流れていくのと、同時に蛇口がそんなに広くないということがわかって、見直してみると、ダイレクトマーケティング活動もあんまりされていないということがわかったんですね。
大阪に大きなコールセンターを抱えていて、そのコールセンターは会員になった人からの質問を受けて、オンラインヘルプ、いろいろ「いま画面でこうなって、どうしたらいいのかわかりません」っていう電話を受けて、それに対応する。
インバウンドのコールセンターではあったが、アウトバウンドに使ってなかった。そこで、箱を買った人に対しての会員になるためのピンポイントマーケティング活動と、それから会員になった人たちのリニューアルに対してわりと集中的にマーケティング活動を少し行えば、我々のプランでは2、3年でこの7万人から10万人くらいには増やせるはずだと考えました。
この方法で得た売り上げは、粗利が非常に高いのでものすごく収益が増えると分析して、これは改善の余地が大きいと。
そういうテーマがいくつかあって、総合的に我々が投資して、経営改善できるのかをみる。利益が10億だったのを25億とか、30億にできるはずだと、そういうビジネスプランを作っている、ということです。
- 佐々木
それにしても、弥生のライブドアへの売却は、タイミングがよかったですよね。あの後だったら、彼らも買えなかったんじゃないですか?
- フォルソム
そうですよ。タイミングよかったです。ちょうどいいですよ。球団騒動が落ち着いて、フジテレビの騒動に入る前で、非常にいいタイミングだったんですよ。
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