ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第53回 細川佳代子さん

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特定非営利活動法人スペシャルオリンピックス日本 理事長
細川佳代子さん
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1歳から始めたボランティア
- 細川
そう。はいはいして。そして、雨戸を「じじ、ばば、じじ、ばば!」って叩くんですって。そしておじいさんが雨戸を開けてくれる。そして私を抱きかかえて家に入れてくれると、一目散におばあさんの布団の中にもぐりこんで、そこでおばあさんと一緒にひととき過ごす、かわいがってもらう、それが私の日課だったんですって。
そのおばあさんは、寝たきりのリュウマチで体が不自由。おじいさんが全部おばあさんの介護をし、家事も全部していた。子供がいない。だから老夫婦、本当に身寄りのない。もう2人だけで暮らしていたその家の、私が唯一の訪問者だったわけよ。
- 佐々木
うれしいでしょうねえ。
- 細川
それで毎朝、あなたは起きるとね、もう一番に、たったか出て行って(笑)。
- 佐々木
出て行って、って、どうやって出て行ったんでしょうね。よく分からないですね(笑)。一応、たぶんお母さんが連れて行ってくれるんでしょうね。
- 細川
だから、そこなの。それが教育。危ないからやめろとか、余計なことをするなとか、母が止めてたら、私のボランティアDNAは、こんなにONにはならなかったと思ったけれど、そこから始まったのよ。
- 佐々木
そうか。親が環境をつくってる。
- 細川
お隣のおじいちゃんおばあちゃんがすごく喜んで、「かーぼう、かーぼう」って可愛がってくれる。で、私も喜んで毎日行くっていうの。これはそーっと行かせてあげたほうがいい、って母は思ったと思うの。
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