ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第53回 細川佳代子さん

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特定非営利活動法人スペシャルオリンピックス日本 理事長
細川佳代子さん
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執着心を持たずに、前に進む
- 佐々木
もう、そうなってらっしゃるように見受けられますが。
- 細川
いやいや。まだまだ、あんちくしょう、こんちくしょう、って言ったりしますもの(笑)。これは一生取れないのよ、あんちくしょう、これは許せない、ってしょっちゅうやってるわよ。だけれど、本当に執着してない、しないっていうことが、一番大事なの。まだ私は執着心がある。
でも、ほとんどみなさんも、悩んだり苦しんだりしている原因が何かというと、たいてい執着心なの。余程の高僧や聖人でないと執着心は失くならないけどそれに気付くことが大切であると思う。我れが、我れがという執着心に気付くと原因や理由が分って苦しみ悩みが軽くなる。
- 佐々木
情熱的でありながら、執着心を持たないっていうことですよね。情熱もある意味だと執着心じゃないですか。
- 細川
そうそう。
- 佐々木
だけれど、プラスの情熱を放ちながら、多々のものに放ちながら……。
- 細川
そうね。それはたくさん、たとえばダライ・ラマ法王。すばらしいですよね。あれだけのすごい人生の、生きるか死ぬかで、亡命されて、迫害された中でも許し、そして平和をまだ説き続け、心の中は平和そのものでしょう。あれだけのつらい思いをして、迫害されていながら、恨み、それは恨みもあるでしょう。
でも、それはどうしてあんな優しい、包容力があるかというと、それは執着心がないからでしょう。常に前向きなのよね。
世界には、本当にそういう、宗教者っていうか、本当に魂を、美しい純粋な魂を持ったそういう指導者というのは、たくさんおられると思うんですね。そういうのが最終ですね。とてもなれませんけど。ただそれには、いろいろなことを体験しなきゃだめなんですよね。
はい、みなさんとさよなら、ってどこかにこもってね、山の中に入ってしまったら、昔はそういうあれもあったかもしれないけれど、それは逃避というか、逃げみたいよね。
- 佐々木
社会の中で実践することが大切だということですね。
- 細川
中にあって本当にそれを実践するということが、すごい挑戦だと思う。
- 佐々木
本当にそうですね。今日は情熱をいっぱい受け取り、また、修行の道も見えてきました。本当に貴重なお時間ありがとうございました。第10回国際女性ビジネス会議ではスピーチをお聞きすることができるので、またお会いするのを楽しみにしております。本当にありがとうございました。
対談を終えて
「良かった。今、決算の報告も受けたんだけど、いい結果になりそう」。そう言いながら笑顔で対談にいらっしゃった細川さんは、強くて澄んだエネルギーをカラダの芯からまっすぐに発していらっしゃる。一つのことに熱中している人の光が感じとれる。多くの人たちを巻き込んでいる彼女のリーダーシップは、ここに源があるのだろう。こんな人が、根底から日本を大きくひっくり返す、そんな日が遠くないような気がした。お忙しい中ありがとうございました!
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