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進藤奈邦子さん
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アンゴラでの仕事
- 進藤
マールブルグ病っていうエボラ出血熱の仲間で、出血熱系のウィルス疾患でそのアウトブレークがまだ継続しているのですよ。その制御に行っていたんです。病気が流行っているよって話が出て、これだけ人が死んでいるよ、で病院がもうどうしようもない状態だから、ってとりあえずすぐ行ける人にすぐに行ってもらって。
私はちょうどその時イースターの休暇をとっていたのね、最初。しばらく年末年始もずっと家を空けていて、子どもたちとも接触できなかったから、その穴埋めに思いっきりサービスしてたわけです。だからその間私は絶対に出動できないから、と。それをしないとね、もう駄目だっていう事がわかって。
そういう時にパッと行ってくれるフリーの人たちもいるから、もう普段自分が付き合っている人でね、あの人に行ってもらえば、まあ、自分がやらなくちゃいけなかった事は大体やってってくれるだろう、というような人たちがいて、非常にエネルギッシュでマニックな人たちなのね。
そういう人たちにまず行ってもらって、ワーって情報が入って来るでしょ、それを整理して、足さなくちゃいけない物を足してそれで出かけるわけだけど、出かけるまでは、たくさん予防接種も受けなくちゃいけないし、薬も飲まなくちゃいけないわけですよ、マラリアのすごい流行地だからね。だからマラリアの薬も飲まなくちゃいけない、マラリアの薬を飲みだすと、夜ね、すごいビビッドな夢を見るわけ。
- 佐々木
私も以前アフリカなどへの取材のときにマラリアの薬は飲んだけど、目がぐるぐる回ったな。
- 進藤
そう、どの薬を飲むかで、どういう副作用が……。だから薬を選ばなくちゃいけない。佐々木さんが行かれてた頃は、そんなに薬のチョイスが無かったのね。食欲もなくなるしね。で、今回はその夜ビビッドな夢を見るけど、週に1回飲めばいいっていう薬で行ったわけ。
- 佐々木
ビビッドな夢って何、たとえば。
- 進藤
こう自分が、臨場感が高い夢なわけよ。色ももちろんついてるし、だから声も、夢の中のこういう声じゃなくて、もう耳で聞こえる声だったりするの。だからどっちが現実なのかわからなくなるぐらい、普段の生活のような夢を見ちゃったりするのね。
そうするとあんまり眠れなくなっちゃったりするでしょ。だからとにかくミッションの直前は決めた時間に寝て、体を動かして、きちんと食べてって、もうベストにしとくわけ。
もう現地に着いたらめちゃくちゃだから。朝無し、昼無し、夜はなんかこんなキャッサバ芋、とどろどろの何かだったりして。ビスケット買おうと思うと、ネズミの糞がついてたりするんだもの。買えません、食べられません、って感じ。それで、おみやげのつもりで持っていったスイス・チョコレートかじって寝たりとか……。
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