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進藤奈邦子さん
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バイオ・テロのシミュレーション訓練
- 佐々木
訓練て、実際どんな?
- 進藤
要するに、シミュレーション。実際は10日間を3日間でやりましょう、とかってなるわけ。シナリオでたとえば、自爆テロじゃないけども、自分に天然痘を感染させたバイオ・テロリストが3人、たとえばカナダのオンタリオから、何航空の何便、何航空の何便、何航空の何便に乗りました。目的地はそれぞれ3つあるわけ、で、1人は日本に入って日本から中国に行こうとしてると。
それをじゃあ、飛行機には何人の乗客がいて、それぞれどの方向に飛んだとか、それを電話とビデオ会議とエレクトロニック・コミュニケーションでやるわけですよ。
- 佐々木
で何人くらいが参加するわけ?
- 進藤
シナリオ上は8カ国でそれぞれ末梢まで入れると各国最低100程度の人が。
- 佐々木
800とか1,000人とかの人たちが参加する訓練! それは年に何回の頻度くらいですか。
- 進藤
最近は年に2〜3回。
- 佐々木
それは興味深い。そういうふうに想定して、3人飛行機で行きました、って通報を受けて、それで何をみんなするの?
- 進藤
まず、追跡調査と、それから、どこそこの人にどれだけワクチンを打ちましょうとか、どこどこに何台の救急車を置いて、どこの病院に何人分の隔離病棟を作りました、そういうレベルまでいくわけ。
だからそれぞれの国の中の自分の訓練、自分の国の訓練と情報交換、どこの国に何便でどう行った、とか、あなたの国の国民が何人乗ってたから、この人をちゃんと接触者のトレースをして頂戴って。
- 佐々木
具体的なんですね。ものすごく面白いんですけど、具体的にはどうするんですか、天然痘を自分に仕込んだ人が飛行機に乗って、成田空港にもう着いちゃった、っていう事が後でわかったら。
- 進藤
だから飛んで着いちゃって、その先でどっかで発症してるわけですよ。だからその人の歩いた道をさかのぼっていくわけ。
- 佐々木
実際に同じ飛行機に乗ってた人を集めて予防接種したり、隔離したり、っていうところから始まるんだ。
- 進藤
そう。で、その潜伏期間中に会った人とか、発症してから会った人とかの危険度を分けたり。
- 佐々木
すれ違った人もいるだろうけれど、わかんないものね。
- 進藤
そう。だから空気感染する疾患か、そうでないかも重要なポイント。ものによっては、地域を丸ごと囲いこまなくちゃいけないような病気もあったりするのよね。
- 佐々木
それを頻繁にきちんとプロ集団がシミュレーションして訓練しているっていう事なわけですね。
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