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山川 隆さん
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ケータイという発想はどこからきたか
- 山川
不正利用の研究として悪用があります。中のデータを盗み見てしまうとか、そういう悪用ですね。
- 佐々木
通話記録や受信記録をみる、ということですね。
- 山川
私なんか、家にいるときも、ケータイに電話番号が入っているので、ケータイを使っちゃうんですよね。家の電話にはこれと同じアドレスブックは入れないですからね。
- 佐々木
そうですね。確かに、ケータイはパーソナルですからね。
- 山川
だから、すごく面白いんですよ。メモリーって誰のものだ、っていうときに、完全にパーソナルだというふうになっている。携帯電話で、パーソナルにそういうものを持つというのを、一体いつ、人間はイメージし始めたんだろうか、と思うとですね。
私、person to person callが始まるとき、すでに固定電話は、自分たちの首を絞めるもののイメージを持ち始めていたんじゃないかなと(笑)。
私すごいなと思うのは、技術は大抵のものを実現してしまうということです。こういうふうになったらいいなというイメージがあって、引き続き支持を受けていると、生産能力だとか技術力が上がればいつか実現されるんです。
だけど、イメージしないものは作れない。だからその、最初イメージするというのはもっとすごいなと。
それで、携帯電話の最初の願望はperson to person callにさかのぼるんじゃないのか、と。要するに、通信というのは、station to stationではなくて、人と人の間のコミュニケーションだということですね。
- 佐々木
その考え方自体が画期的な変化ですよね。
- 山川
そうすると、私はパソコンで常時接続とか言われますけれど、常時接続って最後は人に対して常時接続する。
- 佐々木
本当にそうですよね。その発想の転換は、場所と無関係に、常時人同士がつながっているということ。人によっては自由度が増すと感じ、人によっては管理が増すと感じる。
- 山川
わずらわしさが増すっていうことですよね。どこでもつかまってしまうという前提での社会的なルールだとかエチケットだとか規範というのを考えなければならない。
考えてみると、われわれの今のルールだとかエチケットだとかっていうのは、つかまらないこともあるという前提で作られています。これを全部置き換えていかなければいけないということなんです。
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