ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第59回 野口 健さん

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野口 健さん
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日本語のゴミ、散乱
- 佐々木
君は見なかったんだ、と。
- 野口
今までは「うわあ、すごい人たちだなあ」と思ってた人が、みんな口を揃えてそう言いにくるわけです。そのときに、やはり「何かが違うな」と。だって、ひらがな、カタカナの言葉っていうのは、日本語にしかないわけでしょ? 日本語にしかない言葉が書かれたゴミがウワーッと散乱してるわけです。そして、世界中の登山家がそれを問題にしている。
世界中の登山隊と同時に、必ず多くのメディアがベースキャンプにいますからね、エベレストには。世界中のメディアがいるわけですよ。すると、いくら僕が黙ってても、これは意味がない。
- 佐々木
そうですよね、もし海外のメディアが撮影したところに「○○カップラーメン」とか、「○○焼きそば」とかって映っちゃったら……。
- 野口
いやいや、もうね。要するに、ヨーロッパの山岳会は日本隊のゴミのマナーの悪さを大問題にしてるんで、これはいずれ流れるんですよ。もう時間の問題で。だからね、どうせ出ちゃうんならば、その前に言ってね。
- 佐々木
そうだよね。
- 野口
ただ、俺が言うと怒られるわけですよ。先輩方に追い詰められて、ついつい、「いいですか? 先輩方は言葉を変えながら、要は黙れって言ってますよね? ただですよ、あれだけゴミがあること、これは先輩方、ご存じですよね? って言うか、そもそも、皆さん方がかつて行かれて、置かれてきたものですよね。だから、僕にいろんなことをおっしゃる前に、皆さん方が行かれて、回収されたら済む話ですよ」と言っちゃった。正論ですけどね。世の中は正論だけで回ってませんからね。「この野郎」っていうことで、大変でした。もう、本当に。
- 佐々木
そうでしょうね。
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