ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第59回 野口 健さん

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野口 健さん
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イギリスの学校で
- 佐々木
でも、そこには入れたわけですよね。
- 野口
本当は面接とかあったと思うんだけど、受けた記憶ないんですよ。親父が外交官ですからね、あれは、たぶん裏口ですね。だって僕、試験受けた記憶がないんですもん(笑)。
- 佐々木
それは、記憶がないだけじゃないですか? 酸欠が原因で(笑)。
- 野口
いやいや、まだ山に登ってない(笑)。僕は小学校から入ったんで、一応、高校までは出られる学校ですからね、「まあ、とりあえず高校までは行けるだろう」と高を括ってたわけです。すると中3の2学期になって、朝、教室に行ったら、僕の勉強机の上に違う高校のパンフとかが積んであって。
- 佐々木
え? 嘘! 学校の?
- 野口
「先生、何これ?」って言ったら、「ねえ、野口君、成績が悪いよ。進学できそうもないから、他へ行くことを考えた方がいい」って言われたんです。「待ってくれ。この学校は小中高エスカレーター式で、誰しもが高校まで進学できるという学則があるがために、僕はあえて勉強しなかった」と言ったんです。
- 佐々木
そうですよね。そこまで言えれば、たいしたもんです。
- 野口
すると、1週間もしないうちに「野口君、仮進級になった」と言われました。仮進級なんてものはなかったんで、「仮進級なんて、そんな学則はなかっただろう?」って聞いたら、「たった今、仮進級という制度が職員会議でできた」って言うんです。
校長が「野口君というのはエネルギーがある。あのエネルギーが良い方向に向いたら、彼は良いところにいく。ただ、悪い方向に向いたら、彼はもっと悪くなる。彼に中間はない」と言って、教師たちが納得したらしいです。「教育っていうのは、最後まで、その生徒のエネルギーをプラスの方向にもっていくことだ」とも。
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