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川合アユムさん
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会社を蘇らせたPD制度
- 佐々木
先ほどから出てきている「PD制度」。これが川合さんの会社の一番の特長かと思います。この制度の導入で実績も上がりベンチャー企業関連の賞を授賞されましたよね。
- 川合
ええ、それに今では、「PD制度」を導入する企業も増えてきているんですよ。PDは「プロジェクト・ドライブ(Project Drive)の略です。制度自体は「連邦政府」みたいなイメージでしょうか。 会社は役割や動機の共有の場を提供することに徹し、それぞれのプロジェクトチームが、小企業群として機能するという企業構造です。
立候補で決まったリーダーが、勤務時間や給与といった人事から経理まで全責任を持ちます。独立採算制に立ったプロジェクト同士が、互いに補完・連携しながら事業を発展させるのです。
それぞれのプロジェクトに共通するのは、新しい価値や技術サービスを提供するということだけ。すべてはプロジェクトリーダーに任せています。プロジェクトが終われば役目はいったん終了。プロジェクトは存続することを目的としません。誕生と解散という新陳代謝を繰り広げます。常に新しい発想力とバイタリティーに満ちた環境を保つことができ、自己実現の意欲に満ちたアントレプレナーが育ちます。
- 佐々木
ということは、社長の川合さんはプロジェクトには一切口出ししないということですか?
- 川合
そうです。プロジェクトの運営はリーダー任せです。月に一回の役員会で議論するだけ。土曜日の朝10時から夜中まで12時間に渡って徹底的に議論します。
- 佐々木
でも、「このプロジェクトが失敗したら」という不安はありませんか?
- 川合
そんなことはありません。プロジェクトは常に発足と解散を繰り返します。この制度のメリットは、社員が組織に依存せず自立できることや、失敗は企業側が責任を負うので各プロジェクトが失敗を恐れず新しい価値の創造に踏み出せることなんです。
- 佐々木
PD制度を思いつかれたのは、どんなきっかけがあったんでしょうか?
- 川合
起業してからずっと業務の陣頭指揮を執ってきました。カリスマ経営者ってやつです。でもある時、「会社がつぶれる、もう死ぬしかない」と思って自殺を決意したことがあるのですが、その時に、創業時から支援してくれた人が夢にでてきたんです。それで、僕をのぞき込んで「そんなつもりで助けたんちゃう、応援したんちゃう」と言ってくれたんです。
そこで気付いたんです。いつの間にか会社を維持することが目的になっていたと。
このときから、お金だけじゃない、自然体だ。世の中にはおかしなこともいっぱいある。我流でやり直そうと思ったのです。そうして生まれてきたのが PD制度です。社名の「ED」の意味づけを「アントレプレナーシップ・デベロップメント(Entrepreneurship Development)」と改めたのもこのときです。会社の経営システムを根本から見直す、そんなきっかけだったんですね。
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