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服部 幸應さん
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箸の持ち方
- 服部
そう。昔はね、お祖父ちゃんお祖母ちゃんも一緒だったわけですよ。ですから、そういう人がちゃんと、持ち方はこうだよと教えてくれたり、場合によってはぴしっと、言ってくれたでしょう。
ところが、だんだんだんだん核家族化した。するとお父さんもお母さんも、どちらかが注意しても「そんなこと言わなくても……」と片方が言っちゃったりする。
ぼくは20年前から、箸の調査をやっているんです。食育とは関係なしに。だって、うちに入ってくる学生が、変な持ち方をするんですよ。君たちプロになるんだろう、そんな持ち方は恥ずかしいよ、って言ってね。それからうちの教師たちは、必ずこの学校にいる間に、箸がきちんと持てるようにしてやろうじゃないかってやっているんです。
それで、小・中・高・大、一般の人、っていうふうに調べているんですけれど、小学生だけで言いますと、20年前に36パーセントの小学生が、まあ箸を持てたんです。一番最近では、2005年5月ごろ調べたら、12パーセントしか箸が持てない。そして何より、そこに立ち会っている先生の、42.1パーセントが箸を持てない。だってその若い先生も、きっと核家族育ちでしょう。
- 佐々木
それじゃ、指導の仕様がない。我が家でも、子供たちに毎食時、箸の持ち方の話をしているのですが、まだ、なんだかちょっと変なのです。
- 服部
実は、箸文化って、小野妹子が大陸から持ってきたんですよ。聖徳太子が使ったのが、公では最初だと思うんです。日本の大切な食文化です。
だけど、うちにね、フランス人、イタリア人、スペイン人の先生方が来るんですけれど、みんな箸を持つのが上手いんですね。どこで習ったって聞くと、今欧米で箸を持てなかったらエリートとは言われないって言うんですね。このままでは、日本にはエリートがいなくなってしまうことに。
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