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藤沢久美さん
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起業して初めて学んだこと
- 佐々木
起業して、上に立って学んだことも、ありましたよね。
- 藤沢
いっぱいありますよ。いや、こんなに責任があるものだと思わなかったですよね。やっぱり、上に立つっていう責任がね。自分一人だけの会社なら、「売り上げの入金が遅れているから、給料は3カ月間待とう」って思えますけど、従業員を雇ってしまったら、きちんと給料を払わなきゃいけないし、しかも「その人たちは自分の生活をこの会社に委ねているんだ」っていう、当たり前のことなのかもしれないけど、そのことに気づき、「うわあ、大変だな。子どもを育てるっていうことは、きっとこういうことなんじゃないだろうか?」くらいに思いましたね。
- 佐々木
子どもはね、「今日、ご飯少ないよ」って言えば我慢してくれるかもしれないけど(笑)。
- 藤沢
明らかに怒られますからね、従業員には。
- 佐々木
そうですよね。そのわりに、思ったようには動いてくれなかったり(笑)。
- 藤沢
文句言ったりね(笑)。お金の価値観が全然違ってきますよね。会社員をやっていたときは、会社の備品なんて使い放題。会社のペンを持って帰るなんて普通にしてたけど、自分で会社を興してみると……。
- 佐々木
それが泥棒だってことが、初めて分かるのよね(笑)?
- 藤沢
そう! しかも1円稼ぐことの難しさが、ね。アルバイトとか就職とかすると、1時間働けば時給で給料がもらえるのに、自分が売りたいものを売ってお金をいただくっていうことがこんなに大変なことなのか、って実感した。だから、お金がすごく大事だし、ありがたいものに見えて、簡単には使えなくなりました。それなのに、社員を雇うと、いきなり通販でドーッと事務用品が送られてきて、「なんてことを!」って(笑)。
- 佐々木
私も昔、よく怒りました。全員にハサミ1個はいらないって。
- 藤沢
本当、そう思いますね。あと、それまで自分が部下を持つっていう経験がないまま会社を立ち上げちゃったので、どうやって人をマネジメントしたらいいのかっていうのが全然分からなくて。びっくりしたのは、もともと、「みんなが平等で、頑張った人が評価される会社」っていうのを目指してきたのに、雇ってみると、「いや、別にそんな評価されたくないです。言われたことをやって、お給料さえもらえればいいんです」って言われたことがあってね。「えっ? そんな人が世の中にいるの?」って。すごいびっくりしちゃって、どうやってこの人、マネジメントしたらいいのって。本当、驚きの連続。
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