ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第7回 西岡 郁夫さん

7 |
モバイル・インターネットキャピタル株式会社 代表取締役社長
西岡 郁夫さん
|
|
|
自分の市場バリューを意識せよ
- 佐々木
今、みなさんが盛んに転職される中で、西岡さんのように、今までの自分をお世話してくれた人たちに相談する人はまれではないでしょうか? 上司や、それこそ社長に相談するなんていうことは考えない、という人が多いように思います。
西岡さんの場合、そこまでの二十数年の積み重ねや成功、もちろん会社の中でのポジションがおありだったから、そうされたことなのでしょうか? もし、転職のタイミングが、もっと若くて、無名の一社員だったら、また違う行動を取られたと思いますか?
- 西岡
どうでしょうね。それは結構難しい、本質的な質問だと思うんだけど……。僕は浪花節的だからやはりそれでも同じように行動したかもしれないね。
だけど、一方で僕は今、佐々木さんの言うようなドライな処し方を否定しません。というのはね、終身雇用制度が瓦解した今、「常に自分の市場バリューを意識して、もっとバリューを上げられるチャンスには動く」ことがこれからの社会には必要だからです。
その代わり、これからは働き手たちはもっと自分の市場価値を意識しなければなりません。日本のビジネスパーソンは、自分の市場バリューを意識していないと思うんですよ。
こういう人はビジネスパーソンと言わずに「会社員」と言うんです。会社にとらわれている人ですね。その会社にいるから部長でいられるけど、外へ出たら部長は務まらない人っていっぱいいると思うんです。そこの会社の社長や副社長に気に入られたから取締役になれました、という人が、よその会社へ行ったら仕事ができないでしょ。
そういう「会社員」が多過ぎるのです。近年、日本企業の競争力が急に低下したのもこういう会社員に一因があるのです。彼らの特徴は会社内における自分の立場しか考えません。市場における自分のバリューは意識していないのですよ。市場における自分のバリューを意識すれば、当然ながらその価値を高めようとして常に努力をします。自分の価値を上げるために大変重要なことなのです。
ある会社で働いていても、常に自分の市場バリューを意識していれば、「自分の市場バリューに会社はきちんと応えてくれているか」ということにも意識を持ちますから。もし、会社側が応えてくれる意志も仕組みもないのであれば、自分の市場バリューを発揮させてくれて、その価値に正当にペイしてくれる会社を求めて移るべきだと思いますよ。
佐々木さんが指摘されるように僕の過去の考え方は、“too conservative”だったかも知れませんね。それと、僕の場合は自分の市場価値をシャープが正当に認識して重要な仕事をさせてくれていましたからね。恵まれていると保守的になるものです。
今は、「自分の市場バリューをよく考えて、それが発揮できてないのであれば、動くということを、もっと大胆に考えなさい」と若い人たちに言いたい。
5/13
|
 |
|
|