ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第70回 一色 真司さん

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株式会社代々木学園代表取締役社長、代々木高等学院学院長
一色 真司さん
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自分で考える子どもたち
- 佐々木
だから、「問題児」も、うまく引き出してあげれば、すごい能力が出てくる。意欲的なんですよ、まさに。意欲的だから、ぶつかっちゃうんですよね、いろんなところに。
で、おとなしくやっている子っていうのは、自分で制御しているんだけど、自分を殺しちゃっているわけですよね。だから、いろんなものが出てこない。それが原因で自分自身を見失って、困っちゃって、引きこもっちゃったりする子もいっぱいいるわけですよ。
だから、その彼にとっては「動物園みたいだった」って言うのはとっても嬉しかった、ってことなんですよね。
- 一色
嬉しかったみたいですよ。で、面白いことを言うんですよね。「大学へ行ってみると周りの連中が子どもに見えた」って。で、「僕らは、彼らが言っていることは、全部高校時代に終わっちゃったし」みたいなね。
別に、遊びがどうのっていうことではなくて、考え方が極めて幼稚。結局、なにもやらされてこないから、「これをやりなさい、あれはやっちゃだめ」でずっときた子たちと、「好きにしていいよ」って言われて、サボるときはサボるし、つけが回って自分がしんどい思いをした子たちのね、違いですね。
だから、その彼は、「大学って、すごく楽だ」って。「うちにいたときは、自分で考えて、『今日、なにをしなきゃいけないか』とか、『どうしようかな』って考えていたけど、大学はもう、ずっと時間割の通りにやればいいんだ」って。それはすごく、僕、嬉しかったんですよね。「分かってくれる奴がいた」みたいな気持ちでね(笑)。
- 佐々木
子どもたちが、ひとり立ちしていくと、うれしいですよね。
- 一色
僕は、突っ張ってる連中によく言うんです、「別に、それはあなたの個性だし、いいんじゃないの?」と。「ただ、『あいつらから、こういう目で見られる』とか、『バイトへ行ったらこうだった』とか、愚痴を言うな」と。「それを甘んじて、自分でそういうことをやっているんだから」
- 佐々木
好きでやってるんだから、ということの自覚ですね。
- 一色
「まず、前提でやれ」ということが1つ。もう1つは、「引きこもりやいじめにあった子っていうのは、お前らの頭を見ただけで怖がるんだ」と。で、「そのことは前提として考えておいてくれ」と。
- 佐々木
そうしたら、みんな、「はい」って聞くんですか?
- 一色
まあ、みんな、ある意味、痛みを分かって、うちに来てますから。そういった意味ではね、みんな同じなんですよ。
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