親の期待は

佐々木

お父さま、お母さまは、とても厳しく教育されたように思いましたが、印象に残っている言葉ってありますか。

三富

親父とお袋はですね、基本的に、息子に「いい大学、いいサラリーマンになってほしい」っていう夢がありますから、息子が大学受験に失敗して、非常に残念がっていたわけですね。で、諦めたわけです。だから息子が会計士の試験を受けるっていっても「まあ、受かんないだろう」と思っていたわけ。ところが、受かっちゃった。親は大層びっくりしていましたね。

で、面白い話があってね。僕が、「会計士に受かった。事務所を決めてくる」って言って「アンダーセンにする」って言ったわけですね。そうしたら、親は、「なんでお前、パン屋に勤めるんだ？」って言うわけ。よく分からないなと思ったら、パン屋のアンデルセンに勤めると思っていたの。本当に（笑）。

佐々木

信じられない（笑）。

三富

で、そのときに思ったわけ。「ああ、親っていうのは、こういうもんなんだ」と。「まあいいや」と思って、勤めちゃったわけですね（笑）。そもそも僕が入ったときは、アンダーセンって日本で有名じゃなかったし。

佐々木

どうしてアンダーセンを選んだんですか。