ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第78回 伊藤 麻美さん

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伊藤 麻美さん
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じゃあ、私が社長になる
- 佐々木
でも、お母さんと一緒に「なんとかしなきゃ」って思ったわけですね。
- 伊藤
毎日のように税理士さんと弁護士さんとの打ち合わせで、もう、閉鎖するか倒産になってしまうのか……、あとは他の関連会社があるので、そこからお金を流せないかとか。実は他の関連会社の社長たちも、また悪いことをしていまして(笑)。
- 佐々木
でも、お母さんは取締役だったから、わかりますが、麻美さんはそのときは何の役職にも付いていないんですよね?
- 伊藤
なにもないです。
- 佐々木
そうすると、会社をどうするかとか、お金を持ってくるかっていうことを、そもそも考える役どころにいないのでは?
- 伊藤
ないんです。それで、急きょ、私は監査役に入ったんです。
- 佐々木
(笑)じゃあ、中をチェックするために、監査役として見はじめたんだ。
- 伊藤
でも、全然見られてないですよ、分からないですから。
- 佐々木
分からないですよね。それに立場的にも決定権はないわけですよね。それで一生懸命、お母さんと税理士、弁護士でやり始めた、ということですね。
- 伊藤
それでも私はちょっと甘ちゃんで、「宝くじに当ればどうにかなるかな」って、宝くじ買いに行ったりとか(笑)。
- 佐々木
当らなかったでしょう(笑)?
- 伊藤
全然当らないですよね(笑)。「友達のお父さんで、経営者の人が救ってくれないか」とか、いろいろ考えて。でも、そんなに甘くないですよね、世の中は。願い通りにはいかないことが続いて、もう、本当にいい加減ダメになるっていう段階に来た時に、「会社を倒産するにも閉鎖するにも、社長という権限が必要だ」ってことになったんですよ。社長を味方につけておかないと、代表印ですべて決まっちゃうから。で、「この人をこのまま置いておくべきなのか、他にだれか味方を入れるべきか」っていうことになったんですよ。
そのとき、いろんな人に当たったんですよ、「社長をやってもらえないか?」って。でも、そんなに借金がある、「死に体」とまで言われていたような会社なので、だれも引き受けてくれなくて。社長は保証人にもならなくちゃいけないし。
そうこうしているうちに、なんだか私が……。会社になんて、ほとんどいたことがなかったんですよ、会社と家とは距離があったので。だから社員と会ったこともほとんどなかったんですけど、打ち合わせをしていく段階で、社員の顔を見て、家族が見えるようになっちゃったんですよね。
だから「これは、なんとかしなければ、この社員と家族が路頭に迷うことになっちゃう」と。それがきっかけで、「私はできないのかな?」って。徐々に継ごうと思うようになったんです。
10/24
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