就任の挨拶を聞いた社員が「もう一度、頑張ろう」と

伊藤

ところどころしか覚えていないんです。それに、まだ前の社長がいたんですよ。最初ね、退かなかったんですよ。いろいろあって、たまたま任期満了だったので、むりやり解任同然のような形で交代したので。で、彼が、なにを言っているか分からない挨拶をしたんですよね。だから「私のほうが分かりやすかった」って、社員に後で言われたんですけど。

「うちの業績を景気が悪いせいにしたくない。ただ、本当に悪い状態なので、私一人でできることではないので、みんなの力が必要だ」と。で、「私は、この会社があったから、ここまで大きくなれたので、会社と私は、双子の兄弟のような関係だ」「一緒に成長していきたいので、皆さん、お力を貸してください」みたいなことを話したと思うんですけど。

佐々木

拍手が沸いたでしょ？

伊藤

拍手と、涙を流している人がいて。そのとき、何人かは辞めようと思っていたらしいんですねけど、私の挨拶を聞いて、「もう一度、頑張ろうと思った」って言ってくれて……。

佐々木

素晴らしい。嬉しいですね。

伊藤

社員には恵まれましたね。