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澤田 貴司さん
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ダイエーのビットに全力つくした
- 澤田
2年半やった。キアコンの方は、もうやめようと思った。ダイエーのビットをやって。
- 佐々木
そうですよね。ダイエーは、澤田さんになってたら、また違った展開だったということですよね。
- 澤田
分からないけどね。そう言ってくれる人もいるんだけど、分からないよね。でも、やっぱりダイエーは人生賭けましたよね、結構ね。あの瞬間は、あの半年は、気が狂ったようにやったよね。100人ぐらいと一緒にプランを作って、ものすごい金を使いましたよね。もう、人生賭けて。「これは俺の人生の集大成だ」と言って。
- 佐々木
本当に、気合と根性で?
- 澤田
ワーッとやって、超優秀な軍団と一緒にプランを作って、それをやってきましたから。130社ぐらいから最初ビットしてね、最後3社まで。うちと、僕と丸紅、イオンの戦いになりましたからね。まさか、あそこまでいくとは思わなかったよね。だから、ダイエーの人たちから今でも連絡をいただいたりして。でも、取れなかった事で、僕は「もう辞めよう」と思った。「もう、この仕事は合わない」と思いましたね。
- 佐々木
「この仕事は」っていうのは、どの仕事ですか? 再生は、今だって。
- 澤田
ファンド。
- 佐々木
ファンドがね。再生は、だって、今やっているわけだから。
- 澤田
そう。純粋にその企業に向き合って仕事をする事が、僕の、やっぱりたぶん一番やりたい事だし、たぶん世の中に貢献できる事、「できる事」だと思って。で、やりたい事とできる事が一致したんですよね。
でも、やりたい事が見えなくなっちゃったんですよ、ファンドをやって。やりたい事っていうのは、やっぱり企業を再生する事なんだけど、再生しようと思うと「安く買わなきゃいけない」っていう論理が働いて、で、再生しようと思っていた矢先に「早く売れ」って話になるじゃないですか。
という事は、「これはやりたい事じゃないな」というふうに、僕は思って。で、僕の場合プロセスがすごく大事なんですよ、結果よりも。プロセスをやりたいか、やりたくないかっていうのを、僕、自問自答して、結局「これ違うな」って。「俺、自分に嘘をついているな」と思って。「これじゃ自分がよくないし、自分の周りの人たちにも失礼だ」と思って、「畳む」って。
- 佐々木
それは、でも、すごく大きな決断でしょう? ダイエーの案件では、ずっと新聞に名前が出てた。それを畳むっていうのは、起業家としてもちょっとドキドキするというか、寂しい、悲しい、そういうのはなかった?
- 澤田
僕は、あんまり引きずらないんだよね。もう、すぐ将来を見ちゃうから。
- 佐々木
もう、じゃあ、「辞めよう」と思ったら?
- 澤田
もう、パーッと辞めちゃうの。もう、前に見えてきたら、そっちに、いかに早く行くかっていう。ただし、失礼はしちゃいけないし、絶対に迷惑をかけちゃいけないって僕は思っているんで。迷惑とか失礼とかやっちゃったら、必ず将来返ってくると思っているんで、そこはもう絶対に、きれいに別れる。別れるものはね。
きれいに別れた上で、やっぱり次につながる事をやろう、と。で、もう、一気にシフトしていく。だから、きれいに別れようと思った時に、なんだかまたいろんな人が出てきてくれて、サーッと仕事してくれるんだよね。僕は決断だけすればいい、みたいな。本当にありがたい。ややこしい事を、全部やってくれたから。
10/23
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