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丹下 一さん
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舞台中心を選んで
- 丹下
そしてアンダーグラウンドや前衛劇の世界を選んだからこそ、自分なりに海外の人達や世界的なアーティストと出会っていくことができたんだと振り返ってみて思います。
- 佐々木
そうすると、仕事を選ぶようになったという事ですよね? 例えばどんな仕事を積極的に選ぶようになりました?
- 丹下
とにかく舞台中心。長い間、舞台だけでは食べてこられなかったし、今もそうですけど、もう、とにかく舞台。
- 佐々木
テーマとか、規模とかもありますか? あるいは監督とか。
- 丹下
それは問わないんですけど、もう、前衛、現代劇一本槍。大きい劇場の仕事のお誘いを受けたことがあっても、自分のグループのスケジュール最優先。とんでもない生意気野郎でしたね、本当に(笑)。なんか「この3日間で、こんなにお金がもらえるんだ」なんてなって、「わあ」って思ったりするんですけど、「いや、この日、すみません、うちのグループの大事な稽古が入ってるんで」とかっていうふうに。
- 佐々木
稽古でも断る?
- 丹下
断る。その稽古の時間をどれだけ大切にしてきたかってことも、今、すごくよかったなと思います。
- 佐々木
自分のグループっていうのは?
- 丹下
自分のグループとして「迦樓羅舎(かるらしゃ)」っていうのもありますが、千賀ゆう子さんって、今でもすごく活躍されていますけど、千賀さんとの仕事がとても大事でした。18年間「千賀ゆう子企画」にいて、共同作業みたいな形でやってたんですけれど、とにかく稽古中心、修行の日々。
- 佐々木
そうですか。どういう稽古をするんですか? 俳優になるための訓練所とは違うわけですものね。
- 丹下
全然違いますね。体もものすごく鍛えますし、ボクサーみたいな生活。食事制限もするし、修道院のような生活(笑)。僕、お酒好きですから「丹下なんか、毎晩飲み歩いているんだろう」なんて言われたりしたんですけど、そんなことをやっている暇もお金もありませんでした。非常に規則正しい。午前10時ぐらいに起きてですね。
- 佐々木
(笑)起きて?
5/25
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