ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第86回 高橋 伸子さん

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高橋 伸子さん
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審議会委員としての動き方
- 佐々木
来ていただく時には、なるべくお受けするんですけど、やっぱり、それも時間が取れない事があります。
- 高橋
私は取材人間で、現場が好きだから、官僚が何を考えているか知りたいので、積極的に会いに行きます。今日も金融庁にも行っていました。
- 佐々木
そうなんですか。
- 高橋
来ていただくより出かけた方が、数多くの情報が入手できるので。チームプレイが必要なときは、他の委員とも事前に意見交換します。国会や議員会館、裁判にも行きますよ。国会ではいろいろ政治家に会えますし、テレビに映らない財務金融委員会とか。
- 佐々木
勉強しに行っちゃうんですか?
- 高橋
そうです。遠慮しなくていいんです。いろんなやり方があります。
- 佐々木
えっ(笑)? どういう事ですか? よく分からない。
- 高橋
政府の審議会などの委員は、薄給だけど情報提供を求める権利があるんです。審議テーマに関して、「こういう資料が欲しい」と要求していい。担当官にアポをとって「ちょっと話、聞きたいんだけど」という形で、いろいろ聞きに行ったり、電話やメールで情報収集をしたりとか。水面下で決まる事が、日本の社会ってものすごく多いので手遅れにならないようにね。
- 佐々木
審議会の場だけでは置いていかれているわけですね。
- 高橋
置いていかれます。というか、手遅れになることも多い。私も最初は分からなかったです。分かったとしても時間がなかったけど。
- 佐々木
全然知りませんでした。
- 高橋
私たち一般人の審議会報酬って、2時間1万6,000円とかでしょ。私みたいに時間を使って歩きまわると、時給換算1,000円以下になったりするけど、引き受けた以上はね、面白くてやりがいがあったほうがいいじゃないですか。
- 佐々木
私も、そういう風に動きたいと思っているのですけれども、自分のサバイビングなミッションを持っていると、「日本国よりも前に、ユニカルとイー・ウーマンを」っていうこともあって(笑)。すごく動きたいんだけど動けない、っていう、非常に苦しい体験をしています。だから、とにかくイー・ウーマンに集まる声は、必ずお届けしようと。……それにしても、委員の皆さんがそんな動き方をされているとは思わなかったです(笑)。
- 高橋
皆さんがそうではないです。私みたいなのは少数派ですよ。昔ながらの御用学者や元官僚サンも、委員を務めておられますしね。だから油断もスキもないわけ。
役所では会議などに先立って、上司に恥をかかせないように、事務方が想定問答をつくるケースもあるわけですが、「そんなところに書いてある質問は、私はしないわよ」って(笑)、そういうところがありましてね。
真剣勝負をしないと面白くない。相手が聞いてほしくない事、聞かれたら困ることが、実は大事なことなので。
- 佐々木
すごくよく分かる。すごく面白いし、そういうの、素晴らしい。私、師と仰がせていただきたいと思うんですけれども。
- 高橋
いえいえ、もの好きなだけ。
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