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田村 真理子さん
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決算書に載らない、企業価値
- 佐々木
起業や経営を考えるっていうことは、起業をするしないに関わらず役立つわけですね?
- 田村
私はそう思っています。というのは、やはりサラリーマン化はいい意味で楽だったかもしれないけど、税金が、消費税が上がるとか聞いても、買い物をしている時「上がっちゃったか」ぐらい。だけれども、法律や税金を考えると、意識が変わる。私なんか、青色申告・白色申告ぐらいは、全員書くとか、そういう意識って持つといいと。
- 佐々木
源泉徴収をやめよう、と(笑)。
- 田村
やめようとまでは言わないけど、そういう意識って、私は結構必要な気がするんですよね。もう少しいろんな意味で皆がそういう情報を共有したりとか、考えたい。私、お金ってやはり回すものだと思っているから。そんなにいっぱい生み出せないと思うんですよね。生み出す人はもちろん生み出しますけど、基幹産業で生み出すぐらいに生み出さない限り……、後は小金ですよね。
- 佐々木
少ないお金を回しているんだものね、確かに。
- 田村
だから私が思うのが、女性起業家の役割とか、今後の人たちの面白さというのは、貨幣価値だけじゃないところの価値創造で、どうそれを動かすかっていう。で、そればっかり言うときれい事に聞こえちゃうので、じゃあ新しい価値創造とともにお金が回ると、税金と一緒に回って、使って税金も回れば、豊かになるわけじゃないですか。
- 佐々木
まさにそれはイー・ウーマンの設立趣旨のところに書いてある。そう思いますよ。今まで、見えないバリュー、決算書に載らないバリューと、決算書に載るバリューみたいなものがまったく分断されていたわけだけれども、これをいかに一緒にするか。で、両方あることでもっと大きな企業価値なり経済価値を生むか、それが社会価値というか社会変革も生み出しますよってことですよね。
でもそれってたぶん、ここは「女だから」って言い方は適切ではないと思うけれども、そういう視点がわかる人とは意気投合するけれども、なかなか意気投合してくれない人たちが経済界にいるわけじゃないですか。だからこそ、ベンチャー学会などで、例えば新しい会社のバリューは「これだ」みたいなの、要するに決算書以外にこの項目を出してもらいたい。例えば決算報告書にこのリストもつけるように、とか。今のCSR評価みたいなものですが、決算書に添付して、かならず出さなきゃならないものとして。
- 田村
必需品としてね。
- 佐々木
そう。見えないバリューを「見える化」するのかっていうのを何か提案されたらどうですか?
- 田村
そうですね。そういう話って結局、社会貢献度的に今は一言で言われちゃっているんですよね。だから企業を評価する項目として、使う側の消費者とか雇用、市場の方の声をどう反映するかっていうところを何かで生み出さないと、確かに変わり方が難しいというのがありますよね。
- 佐々木
どれだけの人を元気にしているか、とかの価値は、どうですか(笑)。
- 田村
そうそう、今までにないような考え方にしたか、とかね。
- 佐々木
そうすると、イー・ウーマンはすごくリッチな会社ですよ。やっぱりそういうことは、私達1社が訴え続けたり実現させようとするより、ぜひ学会で言っていただいたほうが。
- 田村
そうですよね。今学会も少しずつ世代交代をしようとしています。
10/23
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