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田村 真理子さん
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NPOは、女性の起業を助けた
- 佐々木
新しくできた制度の中で、先程の1円で起業できるというほかに、「これができたから、随分起業の世界が変わったな」とかっていう法律、制度はありますか?
- 田村
ちょっとこれはもう古いですけど、NPOは女性の起業を助けたかもしれない。何人か知っていますけど、まったく任意で集まっていた方が、NPO法人になったがゆえに、資金調達もできるようになってきた。なかには「このままでは」ということで、NPO法人からもう一歩脱皮して、今、社団法人に組織を変更したりということもあります。
あとは、LLC(Limited Liability Company 有限責任会社)とかLLP(Limited Liability Partnership 有限責任事業組合)。女性だけじゃなくて男性や、他で働いている人も、「じゃあ、その時のプロジェクトだけ関わろう」ということで、実際に自分のお金で参加するというような意識を働かせたのは確かですね。ただ、まだあまり成功例がないんですけどね。
- 佐々木
でも、アメリカのLLCとちょっと違って。
- 田村
税金スルーがないんですよね。あれはひどいですよね。
- 佐々木
そうですよね、税制面が一つの特徴だと思っていましたけど。私、昔の通産省の人に、「アメリカにはLLCっていうのがあって、こんなにメリットがある」と教えてあげたのね。
- 田村
そうだったんだ。でも、要するに、意識を変えたと思います。そうやって動けるんだということで、サラリーマン的になっていた方が、少し起業に目を向け始めたじゃないですか。ただ、LLCやLLPが起業へすぐ動くかって言ったら、また別でしょうね。また従来の日本の株式会社も、今度変わっていくし、有限会社がなくなりましたよね。だから株式会社が二極化していくわけじゃないですか。起業がすごくしやすくなったかどうかは別ですよね。でも少なくとも、これで株と自分のあり方とか、そういうものを意識改革したことは確かだと思うんですよ。過渡期として。
少なくとも発想が変わってきたと思います。それでその後は、株式の敷居が下がった分、信用性っていうのが今度は問われてきたりとかもするので、違う尺度でいろいろ考えなければならないという面倒臭さとか複雑さが出てきたけれども、少なくとも皆が考えるようになったというのは、少し違ってくるんじゃないかな、と。
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