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田丸 美寿々さん
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そのときの空気をうまく読み取る
- 佐々木
要するに、言葉になっていない、表情とか無言の空間が何秒あるかが語っているっていうことですよね。
- 田丸
そうそう。この、間(ま)が何を語って、この固まった表情が何なのか、この泳いでいる目が何なのかっていうのが全部情報ですから。
見ている人に、「この人、嘘をついているな」とか「逃げているな」とかっていうのが全部分かっちゃうので、そこはテレビの本当に強みですよね。で、それがまたインタビューの面白さでね。
だから、その固まった表情が撮れた時は「やった、これで、もういいや」と思うし、本音は言葉として引き出せなくても、「この顔がすべてを語っているな」みたいなのがありますよね。だから、そういうのが撮れた時は嬉しいですよね。
で、そのためには、いろんな想定問答をするんですよ。いろんな材料を全部仕入れた上で、インタビューに行く前に「相手がこういう風に言ってきたら、こう聞こう」とか、「こう来たら、こう行こう」みたいな、いくつかのパターンを想定して、自分の中で想定問答集を作るんですけど、でも、実際に相手に会ったら、全部それは忘れて、その時の空気……。
- 佐々木
相手の言っている事を聞くってことですね。
- 田丸
そうですね。その時の空気をうまく読みながらやれて、うまくいった時は嬉しいですけれども、うまくいかないことが多いんですよ、これが。
- 佐々木
だけど、向こうも、内容によっては相当のつわもので、結構悪い事をしてきたり、逃げたり、嘘をついたりしながら今日まで来た、っていう人を相手にすることもあるわけですから、なかなか簡単にはいかないでしょ?
- 田丸
いかないですね。だから、うまくいったと思う時の方が少ないかもしれない。
- 佐々木
それに、そういう人達は、今、別に犯罪者として確定しているわけでもないわけで、世の中の人の多くが疑わしいとか、批判しているということであっても、逮捕されているわけではない。だから、報道の立場であまりひどい事も言えない。けれども、追及して出させたいみたいな。でもまた一方で、あまり嫌われちゃって「二度とTBSに出ません」となっても困るっていう、様々な葛藤の中でどういう風に対応されるのかなって。
17/27
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