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田丸 美寿々さん
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インタビューの技
- 田丸
それは一つのやり方で、あと、見た目は、やっぱり相手のお顔と目をちゃんと見ないといけないというのが、ありますよね。
最初は、でも、こっちも緊張しているし、相手の方だって絶対緊張しているし、私達がインタビューする時って、基本的にはニュースって、相手にとって嬉しくないインタビューが多いですよね。何かを追及するとか、批判するとか、本音を聞くということですから、相手は嫌がっているんですね。だから、そのインタビューに漕ぎつけた時点で、相当向こうは緊張しているっていうのが分かる。だから最初は、どれだけほぐしてあげられるかっていうのを、まず考えますね。
そのために、まず自分が馬鹿になるというか、おどけて見せるとか、失敗談をまず言うとか。「今日、出てくる時に、急いでいて、ヒールを壊しちゃいました」とか、何でもいいんですよ。何かそういう、ちょっと相手の気持ちを和らげることを言ったりします。
あるいは、その方が最近何かの趣味を始めたとか、その人が何かの書評を書いていて、「今年のお勧めの本」みたいなのがあったら、「あの本、私も読みました。面白かったですね」みたいな所から入るとかね。
だから、相手に対しての材料は、とりあえず、いっぱい仕込んでおいて、まずは相手の気持ちをほぐしてあげて、聞きたい事はなるべく後の方にとっておく。だから、気持ちよく、まずしゃべってもらって、もうお追従でも何でも言って、気持ちよく「アハハ」って、ちょっと油断した所でズバッと行く、みたいなね。これが基本的なテクニックですね。ちょっとイジワルですけど(笑)。
- 佐々木
だけど、ズバッと行こうと思ったら時間切れになっちゃうとか、持ち上げすぎて引き出せないみたいな、そういうことはあまりないですか?
- 田丸
本当に大事なのは、「ありがとうございました」と言った後の雑談の中で聞くとかね。事前にカメラマンと打ち合わせをして「そのままカメラ回しといてね。一旦締めた後に聞くから」と。やっぱり相手が、ここで聞くと、もう席を蹴って帰っちゃうみたいなことって聞かなきゃいけないから、それを初めの方に聞いたら、絶対もうダメなんですよね。
だから、当たり障りのない事をいくつか聞いて、少しずつ核心に入っていって。あとは、もっと言うと、相手が逃げられないようなデータをこっちが持っていれば万全、逃げているなと思ったら、「でも、こういう事もありますよね」「こんな数字もありますね」とか「こんな事実もありますね」って言ったら、もうそこで固まっちゃって逃げられなくなりますよね。しかも、カメラが回っていると、相手はそこでさすがに醜態は演じられないので、何だかんだ、しゃべりますよね。そこが、テレビはその表情を撮っているし。だから、記事にはなっていない所が……。
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