ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第93回 増田 明美さん

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増田 明美さん
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引退という決断
- 佐々木
で、とうとう「マラソンを辞めます」、と。今度は、引退という決断があったわけですが、これはやっぱりスポーツ選手にとって……。
- 増田
「もうダメだ」って心底思えたことがあったんです。
それまでは駅伝で、たすきを前の走者が運んでくれるのを待っている間、私達のチームの前に行ってしまった選手を、「全部抜いてしまおう」って、すごい力が湧いていたんです、情熱が。
- 佐々木
「さあ、抜くぞ!」みたいなね。
- 増田
そうです。でもそれがその時は、見送っちゃっている自分がいたんですよ。「今、ワコールが行った。今、リクルートが行った」と。「もしかしたら、このぐらい冷静にいる今日の方が調子がいいのかな?」と思って走ったのですが、一人も抜けませんでした。もう競技者の気持ちじゃないことに気づいたんです。
自分の中で自信もなかったんですね。疲労骨折が原因で、納得のいく練習ができていませんでした。もうそろそろ辞めなければいけないかな、と思ってはいたんですけれども、でも、やっていれば、とりあえず月々のお給料はちゃんと入ってくる。
OLとしての仕事が、走ることでしたから。だから、なかなか決められずにいたのですが、その駅伝で決断できました。
21/27
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