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ゴールドマン・サックス証券株式会社マネージング・ディレクター/チーフ・ストラテジスト/汎アジア投資調査統括部長
キャシー松井さん
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「ウーマノミクス」とは
- 佐々木
あの、ウーマノミクスという言葉は、99年に作られたのが最初ですね。
- 松井
ええ。2人目の子どもがお腹にいるとき(笑)。
- 佐々木
そうでしたか。今はウーマノミクスという言葉が独り歩きしているけれど、作ったご本人として、ウーマノミクスという言葉は、どういう定義で作られたんですか。ちょっとすごくベーシックですが、この対談を読んでいる人が、必ずしも投資の専門家じゃないから。
- 松井
「ウーマン+エコノミクス」です。例のM字カーブの現象を、いろんな国々を比較してみたら、実は日本と韓国しか、このM字カーブになっていないんですね。
- 佐々木
20代、40代は高くても、30歳前後の女性たちの就業率が低くなっているというM字カーブですね。
- 松井
じゃあ仮に、その日本の比較的低い女性労働参加率を、先進国並みに持っていけたら、どのくらいの潜在成長率を押し上げられるか、というのを私が分析して書いたのが一昨年(2006年)です。
労働人口そのものが、女性たちの参加で約260万人増えると、人間が増えるのですから、経済成長率、潜在的成長率が上がるじゃないですか。それが当然大きなポイントの1つ。でもそれを言うのは簡単で、実現するのは大変って分かってまして。じゃあなぜ低いのか。なぜ、「M」、この谷があるのか。
誰でもわかるように、結局、結婚したら、子どもができたら一旦辞めて、大きくなったら復帰。ただ、大きくなって復帰する年齢は、だいたい40歳代後半。ちょうどそれが、ご両親の介護の時期と重なっちゃうので、なかなかフル稼働になれないじゃないですか。そういう障害があるわけですから、だから当然、もう答えは1つしかない。アウトソーシングですね。
お母様が抱えている責任、介護、子育てを、まあ全てはもちろん受託できませんけれども、ある程度そのへんをアウトソースできたりするようにしていく。まあそういう会社、分野も成長分野になるかな、という視点でしたね。
- 佐々木
99年の、初めてウーマノミクスのレポートを書かれたときの視点も同じでしたか。
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