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ゴールドマン・サックス証券株式会社マネージング・ディレクター/チーフ・ストラテジスト/汎アジア投資調査統括部長
キャシー松井さん
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女性候補者がいるかどうか、尋ねてみる
- 松井
99年は、似たような側面でしたけれども、どちらかというと、そのとき選んだ会社は、女性の活用を推進している会社でしたが、今回は、いわゆるアウトソース。
- 佐々木
女性が働くことで増えるニーズに対して供給できるビジネス。
- 松井
供給できるビジネスかつ、女性の所得が増えると、例えば女性がワンルームマンションを買うし、投資家にもなるし。そういう側面も加えました。
- 佐々木
女性が活躍する、あるいは女性のニーズを満たすっていうふうな企業の株価が、一般企業より高くなっているというデータは、キャシーさんがおっしゃる以外にあまり発表されないですよね?
- 松井
まあ、ちょっと問題は、女性の従業員の割合が高い会社はかなりがサービス業じゃないですか。そのうえ、上場企業の世界の話をしますと、小型企業が多いでしょう。だから、いいときはいいんですけれど、悪いときはすごく悪い。
人材派遣会社とか介護も、いわゆる規制されている産業で、最近自由化されている産業では、自由化=値段が下がる、というのもありますので。いつもこういう会社が成功するわけでは当然ない。
だから、必ずしも女性活用したから成功するというのではなく、たいてい女性の割合の高い会社は、先ほども言いましたように、サービス業とか、割と新規、ニューエコノミーの会社が多いんですね。インターネット関連とか。そういうところですので、比較的成長性が、例えばオールドエコノミーの鉄鋼会社とかよりも、成長率は高いですね。
- 佐々木
そうか。それをまあ、日本の含み資産だと。
- 松井
だから、オールドエコノミーの業種でも、含み資産がありますので、だから当然、女性の幹部がいないからできないというのは言い訳です。
ただ、そのリスクを取って、スキルが足りなくても、「クオーターシステム」「アファーマティブ・アクション」のようなものは、私は個人的にはあまりよくないと思うんです。だってそれをやると、自分のカリフォルニアの学校システムもそうだったんですが、アファーマティブ・アクションで、できなくても入っちゃう。あなたはメキシコ人だから入る。というのは本人にもかわいそうですし、周りの人も、あ、そのクオーターがあるからあなたが入った、と言われ続け……。
- 佐々木
中に入って伸びればいいけれど、伸びないで終わったら苦しいですものね。
- 松井
だから多分、いろんな日本の企業も今から考えているダイバーシティ戦略があるんですけれども、ゴールを達成する一番早い方法はクオーターシステムかもしれないけれども、いろんな問題が生じると思いますので、それよりも、平等の機会を与える、ですね。
例えば、あるポストに対して、男性のAさんが一番いい候補者とみんなコンセンサスを作ってある。ただ、その人にオファーを出す前に、会社の中、労働市場の中に、同じようなスキルを持っている女性の方がいませんか、と、まず質問することですね。
チェックしましたか? と。もしかしたら会社の中に、他の部署にいるかもしれない。だから、まずチャンスを与える、平等のチャンスを与えることが非常に重要だと思うんですね。
- 佐々木
考えてみるっていうことが、そもそもないかもしれないっていうことですよね。
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