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小林 いずみさん
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「私」流の社長のスタンスが分かってきた
- 小林
私自身も、別に、それまで対外的にいろんなところに出ていたわけじゃないので、そういう接点もないですし、どういう風にしたらいいのかまったく分からなかったんです。
だから、最初の1〜2年は、周りが何を期待していて、自分はどういう風にするのがいいのかというのが分からない。そこの模索の時間って、2年ぐらいあったんですよね。
で、そのうち分かってきたのは、結局、私は私だし、しかも、我々の会社というのは本当に専門家の集団ですから、皆、それぞれ専門性があって、プロフェッショナルなわけです。そうすると、別に、私が何から何まで全部分かっている必要もないし、だとしたら、じゃあ、どういうスタンスで行こうかなっていうのが、だんだん固まってきたんです。
- 佐々木
それは、仕事の仕方もそうだし、それこそコミュニケーションのデリバリーの仕方。もっと平たいところから言えば、どんな服を着ていって、どんな風に歩いて。社長として信頼、尊敬されながら、自分らしさが出せるかっていうのはどの辺か、きっとお考えになったのかなと思うんですけど。
- 小林
そうですね。でも、バタバタ歩く歩き方がなかなか変えられない(笑)のと同じなんですよね。最初は、「こういう風なものが一番受け入れられやすいから、自分をそういう風に変えていこう」と思ったりもしたんです。でもそれは無理なわけで、いくら若いと言っても、そこそこの年齢ですから、あるままの自分を基本に、それを全面的に出すことに。
- 佐々木
例えばどういう部分ですか?
- 小林
だから、皆とのコミュニケーションも、今までのままでいいや、と。
外資の一つおもしろいところは、昔の部下が上司になったり、上司が部下になったりするわけですよね。だから、そういう意味では、極めてフラットな組織なわけです。ですから、別に社長になったからといって、話し方を変えてみたり、急に強制をして、何かを「してちょうだい」っていうようなことをするんじゃなくて、もう、昔のまま、同じようにする。
お客様に対しても、同じです。例えば、証券会社だから、「日本市場のことについてコメントしてください」とか言われるわけですが、うちの会社で、私のところに「これからの日本の経済がどうなるか、コメントをお願いします」って聞きにくる社員は誰もいなくて、皆、それはその専門家に行くわけです。
ですから、私の仕事というのは、証券会社の一個一個のプロフェッショナルな業務を代弁するんじゃなくて、そういう特殊な専門性のある人間が集まっているところを、とりあえずベクトルを一つに合わせていって、「一つの会社です」とまとめていくこと。それが私の仕事、そこが私の役割なんだ、と。
だから、社長というのは、別にピラミッドのトップではなく、一つの役割であって、その意味では皆とイコールなんだというスタンスにして。
それからもう一つは、皆は、それぞれ自分の専門的な部分でお客様と話さなくてはいけないわけです。当然私も、「お客様のところに行って話してくれ」と言われることがあるわけですけれども、その時に、皆に使われやいすいような役割になろう、と。そのぐらいでしょうか。
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